ここは、九羅香達が暮らすくずれそう。
今はお昼ご飯もおわり、のんびりとひるねでもしたいような時間帯だ。

 

　九羅香：寝てられるような状況じゃないよ。異常じゃないこの暑さは。
　　紅葉：九羅香様、まずは冷たい水でもおのみください。
　九羅香：ありがと紅葉。
　　与一：九羅香殿、あまり冷たいものばかり飲んでいると、お腹を壊すぞ。
　九羅香：だって暑いんだもん。この暑さは絶対異常だよ。気象庁に文句言ってくる。
　　紅葉：気象庁の責任ではないと思いますが…
　　　静：まあまあ。そういうときには、水浴びがいちばんですよ〜。
　　玲奈：ねこの行くところに入るのも効果的だぜ。
　　　楓：そんな器用なことができるのはあんただけよ。
　　廉也：扇風機で空気をかき混ぜても、暑い空気しか来ませんね。
　　観月：それでも、ないよりはいいでしょう。
　　廉也：完全な気休めですね…。
　　　静：あれ〜今年は〜だれも〜水浴びはしないんですか〜
　九羅香：あれ？しないんですかって、静は浴びてきたの？
　　　静：ええ〜さっきプールを出して〜水をかぶってきました〜
　九羅香：なんだ、そうなんだ。じゃ私も浴びてくる。ええと、水着水着と…
　　玲奈：こんどは、黒シャツの上から水を被ったりしないんだな。
　九羅香：そんなことしたら、後で服がべたべたになってかえって気持ち悪いよ。
　　与一：九羅香殿でも、学習すると言うことはあるのだな。
　九羅香：与一、それどういう意味。
　　与一：気にするな。
　　紅葉：そういえば、九羅香様や与一様は、部活の練習はどうされたんです。
　九羅香：部活？早朝練習しかやってないよ。暑い盛りにやっても、根性鍛えるしか意味ないし。
　　与一：暑さに耐える鍛錬も悪くはないが、熱中症を出してもな。
　　　静：他の部活のために〜あけてあげたんですね〜
　　観月：単に、自分がしたくないだけのように聞こえます。
　　廉也：観月様、そんな本当のことを言われなくても。
　九羅香：あーもう、いいじゃない。部員も喜ぶことをしたんだからぁ。
　　紅葉：九羅香様、ここで騒いでいても水浴びは出来ませんよ。
　九羅香：あ、そうそう。じゃ水着着てくる。
　　玲奈：待てよ九羅香、あたしも。
　　　静：うふふ〜。みなさんもどうですか〜。
　　与一：いや、私は遠慮しておこう。
　　廉也：与一さんは手ぬぐいを首に巻いてますね、暑くないんですか？
　　与一：むしろ涼しい。水に濡らした手ぬぐいだからな。
　　観月：首筋を冷やすと、体感温度は下がると言いますね。
　　廉也：では、僕が試してみます。
　　与一：あまりやり過ぎると、血行が悪くなる。ほどほどにな。
　九羅香：着替え終了、じゃざっぱーんと。
　　玲奈：ったく、九羅香はいつまでたっても全然成長しないな。
　九羅香：玲奈がいうなっ！
　　玲奈：あたしはまだ１４だからいいんだ。
　　　静：そんなこと言ってると〜
　　美沙：すぐにおぼさんになっちゃいますよ、玲奈さん。
　九羅香：あれ？今回は美沙なんだ。こんにちは。
　　美沙：こんにちは九羅香先輩。みなさん。
　　紅葉：景川様。今日はどういったご用件でしょうか。
　　美沙：ん？べつになんにもないけど、ちょっと廉也くんの顔を見に来てみたんだ。

　　廉也：べつに…顔なんてそんなに変わる物でもないです…
　　美沙：あー、何引いてるんだよ廉也くん。もしかして、また着せ替えがあるとおもった？
　　廉也：え、ええまあ…少し。
　　美沙：今日はそんなんじゃないから。あ、なんか涼しそうなことしてる。
　　玲奈：今日みたいな暑い日は水浴びぐらいしないとな。美沙も入るか？
　　美沙：私はパス。今日は水着も持ってきてないし。
　九羅香：なんだ、残念。
　　弁慶：こんちは〜っ。みんな、かき氷持ってきたぞ〜。
　　玲奈：よ、真打ち登場だな。
　　弁慶：そんなにかき氷が食いたかったのか？
　　玲奈：違うっ！
　　弁慶：じゃ、玲奈の分はなしでいいな。はい。
　　美沙：あ、弁慶先輩ありがと。
　　弁慶：お礼は玲奈に言ってよ。玲奈がくれるっていうんだから。
　　美沙：ありがとね玲奈さん。愛してる。
　　玲奈：あ、てめえ、だれも一言もいらないなんて言ってねーぞ。
　九羅香：今のは玲奈が悪い。
　　観月：まあまあ、玲奈様。私の分をあげましょう。
　　廉也：観月様、よろしいのですか？
　　観月：氷でしたら、部屋の冷蔵庫にあるでしょうから、それを削りましょう。
　　廉也：それでしたら僕が作ってきます。
　　紅葉：では、私もお手伝いいたしましょう。
　　弁慶：い、いやそうまでしなくていいよ。こんなこともあろうかと、ちゃんと10個持ってきたし。
　　　楓：てか、なんであんた、お姉さまが水浴びしてるときに限ってくるのよ。
　　玲奈：ま、それが弁慶の特殊能力だからな。
　　弁慶：そんな特殊能力なんて持ってねえっての！
　　与一：どうだか。偶然とは言い難いほどの確率で現れているぞ。
　　　静：きっと〜宇宙意志ですよ〜
　　　楓：ずいぶんとスケベな宇宙意志ね。
　　与一：そりゃ、背後霊が背後霊だからな。
　　美沙：立ち話してちゃ氷が溶けちゃうよ。
　　紅葉：そうですね、いまスプーンを持ってきますね。
　　弁慶：じゃ、俺が全員分渡すから。

 

真夏の、煮えたぎる暑さにうだる昼下がり。
そんな中でも、弁慶達はそれなりに楽しそうである。