私の名前は高町ヴィヴィオ。ヴィヴィオ＝スクライア＝高町＝テスタロッサ＝ハラオウン。
でも、みんなが私のことを呼ぶときは、ヴィヴィオだよ。

今、私たちは管理局本局に来ています。ここに、無限書庫があるんです。管理局が管理する、管理局最大のロストロギアとも言われるのが
無限書庫なんです。情報を自動収拾し、自動整理し、分類し、保管する、誰が作ったのかも分からない情報のワンダーランド。
それが無限書庫。無限書庫のある場所に、管理局の本局が作られてます。

「紹介はもういいか、ヴィヴィオ」
「うん、大丈夫だよ冬美ちゃん。今、私たちは本局にある居住区のホテルに泊まってるんだよね」
「まあな。はやておばちゃんが手配してくれたんだよな。家には連絡入れたし、今日一日で、捜し物を見つけないと」
「うん、そうだね」
「私が行って本当に役に立つのかな……」
「それを言ったらこっちもかわんねーよ。けど、迷宮になってるんだろ。マッパーは絶対に役に立つって」
「だといいんだけど……」
「そろそろ集合のじかんだぜ。いかねーとな」
「おっくれっちゃう。おっくれっちゃう」
「まだ遅れねえよ」

そんな会話をしながら集合しても、10分前には到着出来ました。
理想時間5分前の、そのまた5分前です。

「とうちゃーく」
「早かったなあヴィヴィオ」
「えへへ……」
「おはようございます、はやてさん」
「おはよう、月光ちゃん」
「おはようございます、はやておばちゃん」
「おはよう、冬美ちゃん」
「うーっす、ちびっ子たち集まってるか？」
「あ、番長たちだ」
「おはようございます」
「おはよう」

こんな感じで、みんなが定時には集まってきました。

……と。

「おはようございますです、ちょっと遅れちゃいました」
「おはようミウラ、遅刻はようないで」
「すいませんはやてさん」
「さてと、これで全員そろうたし、さっそく無限書庫に行こうか」
「はーい」

そういうわけで、無限書庫にレッツゴーです。

「？」
「どうしたの？　はやてお姉ちゃん」
「いや、誰かに見られてる気がしてな」
「誰かにって、これだけ大人数で通ってるから、廊下を通る人にじろじろ見られてるよ」
「いや、そうじゃなくて、魔法的にな」
「魔法的に？」
「気配が消えた……なんやったんやろ」
「なんだったんだろうね。ただ単に本を見に行くだけなんだし、エレミアの過去って機密指定には
　なってないんだから、今更犯罪者が調べようっていうわけでもないだろうし」
「せやなぁ……不気味やな」
「気のせいじゃないの？」
「どうやろな。けど、ヴィヴィオ、謎の自動車も気のせいで済ませたらあの大事件やったしな」
「うー、思い出させないでよはやてお姉ちゃん」
「ごめんごめん」

というわけで、無限書庫に到着です。

「あ、ユーノパパ、おはようございます」
「ユーノ君おはよう」
「司書長直々に出迎えって……」
「もしかして、こいつらすごい人なんじゃ……」
「おはよう、ヴィヴィオ、いい子にしてた？」
「うん、ヴィヴィオはいつでもいい子だよ。それで、エレミアの回想録ってどの辺にあるの？」
「一通り場所は特定しておいたよ。地図も作ってある。一人に一枚ずつコピーしておいた。
　ただ、正確な場所までは特定できてないんだ、なにしろ場所が危険区画だからね。
　自分が行って目で見てるわけじゃないし。
　だから、本当の場所は行って確かめてもらうことになる。
　ただ、今のところエネミーとかは確認されてないね。
　危険区画のなかでは、比較的安全なんじゃないかな。
　僕から言えることは、そんなところだね」
「エネミーとかが出ないのなら、午前中には調査が終わりそうですね、はやてさん」
「まあ、そうやな。そう願いたいわ」
「じゃ、気をつけて、そうは言っても、危険区画だからね。念のため、僕も待機はしてるから」
「頼むわ」
「じゃ、気持ちを入れ直してしゅっぱーつ」
「マッパーの出番がない……」
「そうでもないぜゲッコウ、この地図、目的地まではしっかりしてるが肝心の部分が空白になってる。
　そこを埋めるのはマッパーの仕事だろ」
「そうですね」
「じゃ、目的地まではひとっ飛び」
「あの、ヴィヴィオさん？」
「どうしたの？　ミウラちゃん」
「ボク……飛べないんですけど……」
「あ、そうか、無限書庫は無重力だから飛べないとうまく行動できないんだ」
「これは盲点やったなあ」
「あ、なんでアホのエルスが平気なんだよ」
「一応飛行魔法は習得してますから」
「まあ、飛べる人が飛べない人を引率して目的地まで誘導してやってや」
「はい」

そういうわけで、引率しながらの移動になりました。

「あれ？　冬美ちゃんは平気なの？　もしかして魔法使い？」
「んなわけないだろ、格闘の練習の一環で器械体操の練習もさせられてるからこういうのも出来るってだけ」
「そうなんだ、冬美ちゃんってなんでもできるんだね」
「勉強の方はからっきしだけど、運動は一通りな」
「すごいね、冬美ちゃん」
「勉強も出来るヴィヴィオがいるから全然すごくねぇ」
「エミーちゃんの方がもっとすごいよ」
「エミーは努力してるもんな」

なんていう会話をしながら、目的地の危険区画に到着です。

「地図はここまでやな、ここからは、地道に探索しながらになるわ」
「なあ、危険は大してないんだろ。全員で集まって捜索なんてかったるいことせずに、手分けして探そうぜ」
「そうですわね。その方が効率的ですわね」
「仮にも危険区画だろ、危なくないか？」
「同時に全員が危なくなる、っていうのでもなければ、そのときには助けを呼びますよ」
「決まりだな、手分けして探そうぜ」
「えとえとえと……」
「まあ、ええんちゃう？　時間かけたら、その方がかえって危ないかもしれへんし」
「まあ、はやておばちゃんがそれでいいというのなら……」

こうして、手分けして探すことに決まりました。
それが吉と出るか凶と出るか、それは神でない身としては、まだ分からないのでした。

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