さーて、第２ラウンド開始、そろそろ全力で行っちゃうよ♪

「あたしのターン、高速剣、死角からの一撃っ！」

背後から首筋へ一撃を入れ、さらに剣を手放して正面に回り込むと脇腹へ一撃。
こりゃクリーンヒットかな。

「ありっ」
「幻術で姿を隠しての死角攻撃、これぐらいの手品を見破れないと思いまして？」
「白刃取りかこりゃ手詰まり……なーんちゃって」
「その余裕は？」
「奏剣”二重奏”」

これがあたしの必殺技、二つの分身で攻撃するからデュエット。
これではさすがの雷帝もふせぎきれない。さて、とどめと行きますか。

”ベルカンノ・カノーネ”

「ほい終演」

雷帝ったって、まあ、二人がかりならざっとこんなもんよ。
ま、手品の種は秘密だけど、これもれっきとしたあたしの魔法だからね。

「お嬢様、ダメージは大してうけてないでしょう。さっさとリングに戻ってください」
「言われなくてもそのつもりですわよ」

「へ？　あんだけ殴って１０００ダメージ行ってないって？　なにその化け物具合。
　雷帝の子孫ってな伊達じゃないって。
　ま、それでも、当たらなければ意味ないってね。
　それでもこのラウンドできっちり決めてみせるって。
　奏でろ二重奏トレモロっ！」

四式「瞬光」

「へっ、こっちの早さを超えたって、けどそっちは分身」
「知ってますわ、外式、天瞳・水月」
「残念でした〜、実は三重奏だったんだよ〜っと。
　二重奏じゃかなわないみたいだから、一気に幻楽四重奏を奏でちゃうよ。
　これにて、フィナーレっ」

「……はじめから四分身でしたのね……」
「ま、最初から本体はミラージュハイドで隠れてて、幻影2体で戦ってたんだよ〜」
「……ふざけたまねを……」
「4桁ダメージ食らって、やっと本気を出す気になったって？　上等！
　んじゃこっちも全力全開行っちゃうよ〜最大奥義
　十八重奏！」
「その手品はもう見飽きましたわ」
”九十一式　「破軍斬滅」”

「あちゃー、幻影全部巻き込んで全滅か〜」
「まだ一人残ってましたのね」
「実は十九重奏だったもんね〜」
「百式　”神雷”」
「げっ、直撃……」
「六十九式　”兜割”」

あのおばさんえぐい、顔面をリングにたたきつけやがった。
デバイスなければ顔面がぐちゃぐちゃになってるところだよ。
女の子なので顔を下にして担架で退場……うう、格好がつかね〜。
来年はもっと火力と速力をあげなきゃ上位にはかてねーな。

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