「ねえ、リオちゃん。コロナちゃんは何を仕掛けるつもりなのかな。アインハルトさんは危険な技って言ってるけど……」
「たぶん、外部コントロールによる高速襲撃だよヴィヴィオ……でも、すぐに明らかになる」

肉体の外部コントロールはどうしても体の動きにラグが出る。
それはコロナもわかってるはず。それをカバーできる作戦とすれば、高速の飛び込みしかない……ほら、行ったっ！

一撃、でもそれはアインハルトさんにとっても十分読めてる作戦だったようで、完全にガードされている。
とはいえ、渾身の一撃だけあって、ガードの上からでも十分ダメージは通っている。何かカウンターを考えなければ
上から削り落とすことはできるかもしれない。

二撃目、威力は落ちてるものの、まだ上から削れている。これが続けられるものならまだなんとか……

三撃目、アインハルトさんはそう甘くはない、カウンターパンチが来る、それをコロナはかわす。
まだ相手の動きは見えてる、まけてはない。

だけど……コロナの手札は使い果たしたかな？　手札を使い果たしたなら勝負は終わりだけど……

（最後の切り札も決め手にならなかった……もう、楽になって……いいかな……）

「コロナ！　まだだよ、まだ、ゴーレムマイスターとしての戦いは残ってる！　まだいけるよ！」
「リオちゃん！」
「……そうだね、格闘戦ではアインハルトさんに一歩譲るのは仕方ないよね、それでも……まだゴーレムマイスターとしてならっ」
「ティオ、警戒」
「にゃぁ」
「ケイジング・スピアーズ……」
「創主コロナと魔道器ブランゼルの名において……よみがえれ巨神、叩いて砕け、ゴライアス！」

「さすがコロナ、再構築だけあって創造も早いな」
「そうだよね。だけど、アインハルトさんには破城槌があるよ、あれがまともに当たればゴライアスは一撃で壊されてしまうんじゃないかな」
「そこはコロナもかんがえてるだろ」
「スパイラルフィンガー！」

「へぇ、腕に岩をつけて殴り飛ばすか、コロナも考えたな」
「コロナちゃんもリズムに乗ってきたみたいだね」
「ま、LPは少ないとはいえ、当たらなければ意味がないからな」
「連打でどこまでいけるかだね」

「コメットブラスト……シュート！」

「これは、威力より煙幕って感じか、ガードさせるのが目的？　ということは……本命は次！」

「ロックバインド」
「！」
「ゴーレムパンチ！」

「！……んーこれはアインハルトさん厳しいかな」
「LP的には厳しくなったかもね、だけど、これで五分だよ、破城槌がまともにゴライアスに当たってる」
「そうだね。次の一撃がお互い最後の一撃になるみたい……」

「ドリルクラッシャーパンチ！」
「覇王流……旋衝破！」

ドリルクラッシャーパンチの軌道がずれた？

「これで終わりです。……覇王断空拳！」

……本当にこれで終わりでした。コロナのLPは０、決着はついたのです。

「あ、セインさんからメールが来てる、なになに、シスターシャッハは第一ラウンド抑え気味に戦ってLP差優勢、だって。
　第二ラウンドから本気出すっていってるってさ」
「へー、向こうもがんばってるんだな」
「よーし、私もがんばらないと、ミウラとの戦いが待ってるもんね」

みんな、もう気持ちは次の戦いに切り替わっているようです。私も、砲撃番長との戦いに切り替えないといけないかもしれません。

……その前に、コロナとアインハルトさんのお見舞いに行かないと。いくらダメージはエミュレートとはいえ
消耗した魔力は、エミュレートではないんですから。

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