めりかるうぃっしゅ う゛ぃう゛ぃっど
〜エースオブエース 高町なのは〜
「さて、開始から10分を過ぎた非対称フラッグ争奪戦。現在のところ、シグナムが
戦線を離脱して、シャマルの元で体力を回復中。
代わりに、管理局の白い悪魔なのはと、管理局の黒い天使フェイトの両名が
戦線に登場、これをとめるべく覇王インクヴァルドの流れをくむ
アインハルトと、フェイトの弟子の一人、エリオが対応に動いたところですが
解説の冬美さん。ここまでの戦いをどう見ます？」
「ついにお互い切り札を投入し合ったってところかな。
けど、ルーテシアさんが、ここでアインハルトさんを投入したっていうのは
正直意外な感じがする。切り札は最後まで握りしめて、ぎりぎりの戦いをする
タイプだと思ってたんだ」
「そうですか。さて、現場の中継にうつりましょう、大人組担当のメガーヌさん」
「はいはいメガーヌです、こちらでは、大人組の中のチームリーダーポジション
高町なのはと、開戦前から、こちらのチームの切り札とルーテシアが公言していた
アインハルトの激突が今始まろうとしているところです」
「はい、ありがとうございます、中継を続けてください。
なお、この戦いは、解説、川崎流後継者川崎冬美、こども組リポート、清祥小学校4年
中島月光、実況は私セインでお送りしております」
「来たね。聖王流の後継者さん」
「はい、全力で行きます」
「どうぞ」
センターガードが近接戦闘に巻き込まれてるんだから、作戦的に見れば
ここまで、ルーテシアちゃんのペースって言っていいんじゃないかな。
さすがは召喚術士、手駒の使い方はうまいよね。
けど、１on１で近接タイプに襲われたぐらいであたふたしているようじゃ
教導隊をお払い箱になっちゃうんだよ。
「参ります！」
「レイジングハート、エクシードモード、シールドバースト」
「Yes,my master」
「なのははシールドバーストでいったん間合いを開く、そこから切れ目なく
アクセルシュートを射撃、近接戦に巻き込まれないよう中距離射撃戦を貫くつもりのようです」
「そこまでは想定内です、なのはさん」
「アクセルシュートをつかんで投げ返した？ これはすごい」
「近代ベルカでも可能だった技よ。弾核を破壊しないように柔らかく包み込んで
そのまま投げ返す。けど、この若さでこの技が使えるなんて、どれほど修練を積んできてるのかしらね」
「大人組担当のメガーヌさんは、近代ベルカ式の第一人者クイント・ナカジマさんの同僚でもありました。
ベルカ式については、相当の知識をもっております。
さて、自分のアクセルシュートを自分のアクセルシュートで迎撃するなのはさん。
さすがはエースオブエースといったところか、奇想天外の攻撃にもあわてず対応です」
「ていうか、セインちゃん、教導隊のベルカ使いに一度やられたことがあるんだよ。
古代ベルカの覇王だけのことはあるね、同じ技は使えるんだ」
「教導隊には覇王級の化け物がいるということか、すごいのは教導隊と言うべきかもしれません。
ベルカの攻撃も知っているエースオブエース相手に、覇王はどう挑むのか」
「自分を信じるだけです」
うん、いい答えだね、自分を信じるだけ。
9歳の私も、同じ答えを出したと思うよ。
だけど、それじゃ足りないんだ。
それは、校長から教わったこと、それを、あなたにも教えてあげたい。
「まずい、動きが直線的になった、動きが直線的になると
なのはさんにはあれがあるんだ」
「あれってなんですか、解説の冬美さん」
「あっ」
「リストレクトロックを自分自身のポジションに作り出す。
詠唱の遅れで踏み込んできた相手をひっかけることが出来る。
単純だけど、効果的なバインドのやり方だよ。
これは、ユーノ君に教わったかな」
「動きを見きられたら、バインドからの砲撃で終わりだ、アインハルトさん
調子に乗りすぎたね」
「バインドぐらいで覇王はとめられません」
「それはどうかな……ディバイン＝」
「覇王流……」
「バスターっ」
いたっ、今のはいったい……
「すごいですね、受け流したはずなのにライフを削るなんて」
「今の一撃の攻防、ごらんになりましたでしょうか。
なのはさんのディバインバスターをシールドで受け流しつつ
バインドブレイクの勢いで一撃を加えることでＬＰを５００削った
アインハルトも見事なら、シールドで流したはずなのにＬＰを３００削って見せた
なのはさんもさすが……」
「待った、まだ攻防は終わってない」
「ディバインバスターを撃った直後にもうなのはさんはポジションを変えていた？
けど、ディバインバスターの連射は効かないはず」
「9歳の時の私なら、ディバインバスターを撃っただけで動きが止まってたはず。
だけど、今の私なら、その一歩先に歩ける」
「後ろ？」
そう、ディバインバスターは必殺の一撃。だけど、捨て身の必殺技は
それがかわされたとき、逆にこちらが詰んでしまう。
あなたの連続攻撃も、捨て身になってる。だから……。
「ストライク＝スターズ」
「回避……間に合わないっ、ていうか誘導砲撃！」
「そう、こっちが私の本命、ディバインバスターの大威力に目を奪われたら駄目だよ
アインハルトさん」
「ああっと、これは直撃だ、さすがは教導隊のホープ白い悪魔。
ディバインバスターを見せ球にして本命のストライク＝スターズを
決め手にとっておいた」
「なのはさん、すぐに追い打ちをかけないと……」
「解説の冬美さん、それはどうして……」
「雷炎砲！」
「え？」
「ほら、ルーテシアさんはこれをねらってた」
「ええと、雷炎砲の直撃でなのはさんのＬＰはさらに900低下して
ＬＰ１１００に、しかし、なのはさんの足止めにでたアインハルトは
ＬＰ４０にまで低下、完全直撃なら行動不能になっているところです。
そのアインハルトは、キャロの転送魔法でフリードの元へ送られた」
「よくがんばったね、アインハルト、なのはさん相手に一撃を入れたなら
十分な働きだよ」
「すいません、慢心してました」
「それがわかるだけでもたいしたものだよ。今回復にはいるからね」
「はい」
「えと、ヴィヴィオちゃん、エミーちゃん、そろそろ本気の本気を出して」
「了解、ライチェントゥークス、あれやるよ」
『あれでは何を言っているのかわかりません、我が主』
「えー、だから、ウェンディお姉ちゃんから習ったあれだよぉ」
『冷凍マグロですね、今転送で送ってもらえるように手配します』
「そっちのウェンディじゃないってば！」
『冗談です我が主、と、こうやって漫才をやってたおかげで、ヴィータさんも
あきれてみててくれましたよ』
「漫才をあきれて見てたわけじゃねーよ。けど、切り札って何が切り札だってんだ？」
「えっとね、だからウェンディお姉ちゃんから教わった技のバリエーション」
「ヴィヴィオが目を閉じた瞬間、無数の光球が空戦中のメンバーを覆いこんだ」
「これはヴィヴィオから聞いたことがあるぜ、確か、ウェンディさんが得意にしてた
空間機雷だ。だけど、当たると起爆するだけだし、一個一個の威力はたいしたことがないから
実用性からいうと、本当は今一で、脅しにしか使えないってはなしだったんだけどな」
「それはウェンディお姉ちゃんが卑下して言っただけ！
これがヴィヴィオが編み出したバリエーション。
はじけろ究極破壊魔法、ヴァニシング＝イクスプロージョン！」
「乱戦の中でも起爆タイミングをずらすことで味方を避けて敵にだけダメージを送った。
これで、ヴィータ、スバル、フェイト、ザフィーラの大人組空戦班全員に
５００ダメージを与えることに成功。しかし、究極破壊魔法を名乗るには
今ひとつ威力に問題があるようにも思えます」
「すげえな、あれで敵だけより分けて攻撃するなんて。魔力制限があるから
あの程度の破壊力で……まずい、スバルさん！」
「ふふ、遅いですよ冬美さん」
「動きを止めた……一撃必倒……ディバイン＝」
「スターライト・ブレイカー」
「ああっ、普通ならよほど充填しなければ撃てないはずのスターライトブレイカーを
一瞬で充填して放った、これはいったいどういうことか」
「それがヴィヴィオのねらいだったんだ。魔力を拡散して、空間の魔力密度を高める。
先行詠唱でエミーは魔力をあらかじめ回収しておくことで、ヴァニシング＝イクスプロージョンから
スターライト・ブレイカーへ切れ目なく連続攻撃を加えることができる」
「おおっと、これでスバルも行動不能ぎりぎりまで体力を削られた。
シャマルの転送魔法でフラッグ防衛に後退です」
エミーちゃんと、ヴィヴィオのコンビも、うまくやってるみたいだね。
だけど、空間に魔力をばらまくのは、私にとっても有利に働くっていうこと
ちゃんと計算に入ってるのかな、ヴィヴィオ達は」
「あ、なのはママが空中から地上へと姿を消した」
「気をつけて、みんな、なのはさんがステルスをかけて私の探索魔法からも姿を消しました」
「こちらルーテシア、あたしもなのはさんを見失ったわ。この状況でなのはさんが
姿を消した意味は、一つしかないわね」
「・・・なのはママお得意の、収束魔法で逆転」
「そうなりますわね、ヴィヴィオさん」
「はやくなのはママを見つけ出して逆襲しないと」
「分散したら大人組のパワープレイにはまってしまう、相手にしがみついて
収束砲を撃たせないようにして」
「了解」
「切り札アインハルトを撃墜したなのはさんは、そのまま姿を消して逆転の
収束砲撃にでるのか。こども組はその作戦に対抗できるのか。
そして、アインハルトの回復は間に合うのか。
緊迫の場面ですが、ここでいったんＣＭです」
戦いはさらに続く。