めりかるうぃっしゅ
〜ティアナお姉ちゃんのターンなの〜
私の名前は高町ヴィヴィオ、ヴィヴィオだよ。
今ヴィヴィオは、みんなと一緒に、海鳴公園 に向かっている最中です。
そこには、きっと、スカリエッティとスカリエッティの戦闘機人が待っているはずです。
そして、エミーちゃんと、なのはママも。
ヴィヴィオのお仕事は、聖王のクローン、エミーちゃんの身柄を保護することです。
なのはママの救出は、アルフお姉ちゃんとユーノパパがやってくれますし
それをじゃまする変態顔芸博士は、フェイトママがやっつけてくれます。
じゃまする戦闘機人だって、スバルお姉ちゃん達、シグナムお姉ちゃん達が
やっつけてくれるので、何も心配は要りません。ヴィヴィオはエミーちゃんの事だけ
考えていれば大丈夫です。
『我が主、そんな気楽なことでよいのですか？』
「大丈夫、アルフおねえちゃんとユーノパパがなのはママを助け出したら
あとは、レイジングハートとなのはママがちゃちゃっと解決してくれるよ」
『結局他力本願なんですね、我が主』
「ヴィヴィオはエミーちゃんの事だけ考えていればいいって
はやてお姉ちゃんも言ってたもん」
『それはそうですが、エミーさんは、あのスカリエッティが真の聖王として
育成していたんです。我が主より強力であると考える方が自然でしょう』
「…エミーちゃんも、ゆりかごの防御システムの一部にされちゃうのかな」
『それはわかりません。ゆりかごに類する兵器を持ち出してくる可能性も否定出来ません。
アースラによる大規模地層捜索では、なにもみつかっていませんし、あの海だと
何かあるにせよ、13年前のジュエルシード捜索時の再調査で、何かがあれば
わかっているはずだとは思いますが、見落としの可能性も否定は出来ません』
「憶測ばっかりだったら、考えるだけ無駄って、シャーロックホームズのおじちゃん
だって言ってたよ。考えるだけ無駄なら、考えるのやめて、起きてることを素直に見ようよ。
…ヴィヴィオだって、聖王の特殊能力、封印したわけじゃ、ないんだよ」
『我が主…覚悟は、出来てますね』
「冬美ちゃん、月光ちゃんと、約束したもん。
絶対にエミーちゃんを連れて帰るって。
なのはママと同じように、出来る限りじゃない、本当の、全力で」
『では、私はもはやなにも言うべき事はありません。我が主、全力で』
『All right』
「うん、レイジングハートもね」
ヴィヴィオ達は、やっと海鳴公園 にたどり着きました。
御飯食べて出発して、25分後にきっちり到着です。
5分前着、これなら学校でもほめてもらえるはずです。
海鳴公園の海の上には、もうスカリエッティ達が空中にいてこちらを見つめてます。
機動六課が公園に勢揃いなのと同じように、スカリエッティ一味も空中に勢揃いです。
そういえば、トーレもセッテもメガネも空が飛べるんでした。
エミーちゃんが飛べるのも、今更驚くことではありません。ヴィヴィオだって飛べるんだから
エミーちゃんが飛べないはずがないんです。
そして、…なのはママは、ドゥーエに捕まってます。
今はまだ、手出し出来ません。うっかり近づいたら、なのはママに危害を加えられてしまいます。
「ふふ、良く来たわね、機動六課のみなさん…さーて、これから
史上空前の天才Dr.スカリエッティによるアルハザード旅行を
特等席で見学させてあげるわ」
「あー、出たなメガネおばちゃん」
「お、おばちゃんって言われるほど歳じゃないわよ」
「けど、なのはママが11歳の時、もう稼働年数10年超えてたんでしょ？
20過ぎたら普通におばちゃんだもん」
『我が主、そこで口げんかしてる場合でもないと思いますが…』
（ええんや、ナイスフォローやでヴィヴィオ…これで魔法発動の時間稼げたわ…
…さあ、リィン、始めようか）
（はい、はやてちゃん！）
「結界発動！」
「はいですぅ」
はやておねえちゃんが魔法少女らしく変身、さらにユニゾン、そして結界発動まで
あっという間に終わらせてしまいました。
魔法少女の変身は０．０５秒、それも結界内で終わらせてしまうので
外から見ていると一瞬光って姿が変わっているようにしか見えません。
それだと大きいお友達が全然面白くないので、ゆっくりと内部で何が起きてるか
見せるんだってユーノパパは教えてくれました。
けど、前作だと、はやてお姉ちゃんには、そういう配慮が無かったそうです。
今回は、…文章では映像がお伝えできません。やっぱり残念です。
はやてお姉ちゃん的には、あった方がいいのかわるいのか知らないですけど
完全版の変身シーンが、あるのと無いのとでは、人気に格段差が生まれるそうです。
「あらあら、もう封印結界発動かしら。無粋ねぇ」
「やかましい！この糞メガネ女！罪状はいっぱいあるけど、とりあえず脱獄の容疑で逮捕する！」
「あーら、万年ロリ体形に捕まるほど、あたしはよわくないわよ〜」
「けっ、とっくにおまえのシルバーカーテンなんて破られてるんだよ。
人をだます以外能がないくせに、なにいばってるんだ」
「ふふ、それは、聖王の力を得る前の私でしょ？今は、違うわよ」
「何が違うってんだよ」
「これを見てもらえばわかるわよ…シルバーカーテン第二幕。
電子と魔法が織りなす銀幕の奇跡、とくとごらんあれ」
メガネおばちゃんことクアットロがマントを一振りすると、そこから
シグナムおねえちゃん、ヴィータおねえちゃん、シャマルおばちゃん、ザフィーラおじちゃんの
そっくりさんが現れました。
けど、こんなことなら、べつに珍しくもありません。
たとえ、あの姿で戦闘できたところで、そんなことならヴィヴィオにだって出来ます。
なにも驚くことではありません。ブラスタービットを使いこなせるなのはママには
全く対抗できません。あれで何を威張ってるんでしょう。
「…ふっ。我々と同じ姿を出せば、攻撃の手が鈍るとでも思ったか？」
「まだ気がつかないのか？オリジナル」
「オリジナル？どういう意味だそれは」
「言葉通りの意味だぜ、シグナム」
「シルバーカーテンが〜聖王の力で解放されて生まれた〜真の能力〜」
「存在する、いかなるプログラムをもコピーし、ドライブする」
「うふふ〜つまりぃ。この子達は、あなたたちと全く同じ存在なのよ。
同じ能力、同じ技能を持った、第二のヴォルケンリッター」
「違いはただ一つ、主がクアットロちゃんってことだけね」
「それだけ違えば十分だ！行くぜ！アイゼン！」
『ヤヴォール！』
「ぶっとばせーっ！」
「ぶっとぶのは…てめーだっ！」
空中で、グラーフアイゼン同士が激突します。
力は、全くの互角。
メガネの言う、第二のヴォルケンリッターという言葉に、嘘はないようです。
「けど、このアギト様はコピー出来なかったみたいだな。
行くぜシグナム」
「心得た」
シグナムお姉ちゃんと、アギトちゃんがユニゾンして、２Ｐシグナムに対抗です。
ええと…けど、はっきり言ってこれじゃ区別が難しすぎです。
せめて、名前を微妙に変えてくれればいいのにって思います。
『シグナム（メガネ）とか、ヴィータ（メガネ）でよろしいのではないでしょうか』
「けど、メガネなんて掛けてないよ」
『でしたら…向こうで名前を変えてもらうしかないですね』
「あの陰険メガネがそんな親切してくれるわけないよぉ」
そんなことを言ってるうちに、シグナムお姉ちゃんがレヴァンティンで
銀のシグナムを攻撃です。ユニゾンしてる分、圧倒的にシグナムお姉ちゃんが有利なはずです。
「ウーバー アントリーブ」
「なにっ！」
きっちり息を合わせたはずのユニゾンによる攻撃を、銀のシグナムがレヴァンティンではじき返します。
「コピーがオリジナルを超えられないという道理はない。
我等は主によって作られたかりそめの存在。主がアルハザードにたどり着く時まで
おまえ達を近寄せねばそれでよい。そのためにならば、己の限界を超えて
魔力を引き出すなど、何でもない」
「そうか…では、私も、おまえの主をアルハザードにたどり着かせぬため、限界を超えよう」
「シグナム…」
「どうしたアギト。おまえの前のマイスター、騎士ゼストなら、普通に出来ていたことではないか」
「あたしはさ、旦那を喪った時みたいなのは、もうごめんなんだよ。
そんなことさせねーために、おまえと一緒にいるんじゃねーか。
シグナム、おまえは無理しなくていい…限界超えた力を引き出すのは、あたしみたいな
デバイスの仕事なんだ。…変なこと考えずに、普通に全力で行けよ。
足りない分は、あたしが補ってやる」
「…そうか。…戦いは、魔力の差で決まるわけはない、それを教えてやろう、行くぞアギト！」
「ああ、それでこそあたしのマイスターだぜ」
シグナムお姉ちゃんが突っ込んでいきます。
「シャマル、援護を頼む」
「わかりました、ザフィーラ」
「この先にはいかせん！」
「旅の鏡が使えるのは、あなただけではありませんよ、オリジナル」
「うふふのふ〜。アルハザードで魔法を手に入れても、使えないじゃお話にならないからぁ〜。
ここで、コピープログラムがオリジナルとどう違って、何がおなじなのか
しっかりデータを取らせてもらうわ」
はやてお姉ちゃんの予定と、ちょっとずれてしまいました。
これではヴォルケンリッターのみんなは、矛としてナンバーズを撃破するわけにいきません。
えと、これはヴィヴィオも参加したほうがいいんでしょうか？
「ヴィヴィオ、ここは自重して」
「そうだよ。…まだ、エミーが出てきてない。
ヴィヴィオはエミーの確保だろ。みんなを信じて、時を待ちな」
「う、うん…」
みんなを信じてって言われても…あ、フェイトママがスタンバイ完了です。
向こうはトーレとセッテの二人だけ。まだエミーちゃんもウーノもスカリエッティも
前線に来るつもりはなさそうです。フォワードチーム4人もいますし、これなら
トーレとセッテには、勝てるかもしれません。そうすればアルフお姉ちゃんと
ユーノパパがなのはママを助け出して、スカリエッティ一味は一網打尽です。
はやてお姉ちゃんの結界を破って逃げ出すなんて、出来るとは思えません。
「フェイトお嬢様。黙ってドクターを見逃してくれるわけには、いきませんか？」
「前にも言ったとおりだ」
「そうですか…聖王の力を得た我々の実力を、今までの戦いで判断して欲しくは無いのですが…
…仕方ありません、すこし、痛いのを行きます」
「！」
何が起きたんでしょう？フェイトママが一瞬で海に吹き飛ばされてしまいました。
フェイトママがいた場所には、トーレが現れてます。
「な、なんて速さなんだ…」
「エリオくん。…今のって一体…」
「ライドインパルスの速さが、驚異的に上がってるってことね。
予測の範囲内でしょ。エリオ、フェイトさんのフォローに入って。
キャロ、フェイトさんに魔力供給開始。…あの程度の速さ、フェイトさんなら
わかっていれば対応出来ないわけじゃないわ」
「は、はい、わかりましたティアナさん」
「はいっ！」
「…フリード、キャロのガードはお願い。
あたしらは、とてもじゃないけど、そこまで面倒みてられそうにないわ」
「…バルデッシュ、オーバードライブ！」
「Yes,sir」
フェイトママは、防御力を捨てて真ソニックモード発動…じゃなくて？
「それで、私の速さについてこれますか？フェイトお嬢様」
「それならこれで十分、…バルデッシュ、ブリッツアクション」
「Yes,sir」
フェイトママの姿も高速機動で消えます。
「私には見えてますよ」
トーレの背後に現れたフェイトママをトーレがライドインパルスで迎撃します。が、
フェイトママは迎撃した瞬間に姿を消します。
十分な距離を置いた位置にフェイトママが再登場です。
「…思った通り。瞬間的に魔力を爆発的に発動させれば、あなたの速さを超えられる」
「さすがはフェイトお嬢様ですね。ですが、私の見たところ、それはあらかじめ
プログラムした通りの動きしか出来ないようですね。…それで、すべての動きを
見切れている、私に対抗できますか」
「出来る………私のするべき事には、これで十分だから」
「おかしな事を。フェイトお嬢様が私に勝てなければ、あなた方には万に一つの希望もありませんよ。
なにしろ、セッテの戦闘能力は、私を超えてるんですから」
「…そろそろ、始めましょう」
「ティア、来るよ」
「わかってる、クロスミラージュ、カートリッジロード」
「roger」
セッテは、ティアナお姉ちゃん、スバルお姉ちゃんに向けてブーメラン攻撃です。
でも、数が半端じゃありません、同時に4本どころか、同時に何十本となく放ってきます。
「数が多いだけなら、なのはさんのアクセルシュートの方が怖いぐらいよ。
全部撃ち落とせばそれで済む！」
「出来ますか？」
「出来るっ！」
クロスミラージュの魔法弾が当たっても、ブーメランはびくともしません。
ティアナお姉ちゃんに向かってブーメランが何本も襲いかかってきます。
「…普通に撃ったら効かないってことね、一応確認させてもらったわ。
こっちが本命！」
ティアナお姉ちゃんの第二撃が放たれます。
セッテの放つブーメランが、魔法弾がそばを通るだけで次々と誘爆していきます。
何十本もあったブーメランが、たちまち2本に変わります。
「あの2本だけが、あんたの本命ってわけね…のこり2本は予備、それ以外のブーメランは
片道特攻の魔法弾！」
「良くあれだけの時間で見切りましたね」
「スバルっ！…ぼさっとしない！セッテとトーレの連携を切って！
フォーメーションパターンＦ」
「わかった、ティア、…行くよ、マッハキャリバー！」
「O.K.my body!」
スバルお姉ちゃんはウィングロードで出撃です。
ウィングロードでセッテとトーレの中間を動き回り、状況次第でどちらにでも
対処出来るように機動します。
「…なるほど、フェイトお嬢様、多人数で攻めれば行けるとでもお考えですか？」
「あなたが、ブリッツアクションに対応できないというのがどういう意味か、考えればわかるはず」
「・・・・これは、私とフェイトお嬢様の力比べではないということですね」
「…そういうこと」
「…えと、ライチェントゥークス、今のフェイトママの言葉ってどういう意味。
ヴィヴィオ、よくわからない」
『トーレをフォワードチームが牽制している隙に、ブリッツアクションで
フェイトさんがスカリエッティの所まで切り込む事が出来る、という意味です、我が主』
「あ、なるほど。それじゃトーレだってうかつに動けないんだ。けど…それじゃ
ティアナお姉ちゃん、1人でセッテと戦わなければならないことになるよ」
『そうですね。…それをどう解決するのかはわかりません。
一体、ティアナさんは何を考えてるのでしょう』
…あれ？あたしのターン？ヴィヴィオの会話はこれで終わり？
「いい度胸ですね。私の攻撃の矢面に立つなんて」
「トーレの動きを止めるのが最優先だっただけよ」
「そうですか。…では、手加減なしで行きます」
くっ…今度は幻影込みの魔法弾も通用しない。セッテの攻撃で周りを囲まれる。
けど、まだまだセッテは甘いわね。
「幻影なら私にも見破れます。幻影を使って逃げようなんて考えない方がいいですよ」
どっかーん。
ブーメランと魔法弾があたしのいた場所を完全にたたきつぶした。
もちろん過去形。
「どこに消えた？」
そりゃ決まってるでしょうが、あんたの世界じゃ海ってのはコンクリートのかたまりでも出来てるっての？
速攻で海に飛び込むって選択肢があるのを見落としてる方がわるいわよ。
さあ、反撃開始、延々と戦っても仕方ないし、全力全開で一気にけりつけるわよ。
「…海の中に逃げ込んだのか。だが、次はそうは行かない」
「そりゃどうも」
海の上に立つ。あたしは、未だに飛べない魔導師だけど、重力制御ぐらいは出来る。
十分に重力を軽くすれば、アルキメデスの原理で、海の上に立つことだって出来る。
靴は水の中につかってるけど。
「…さすがは、ナンバーズの重爆と言われるだけあるわ。
これだけばらまかれちゃ、反撃するのも一苦労ね」
「…話はそれだけか？次はない」
「あ、そ…あたしも、あんまり長々と戦うの、好きじゃないわ」
「これで終わり！」
な、さらに魔法弾の数が増えた…けど、これを迎撃するのに、ファントムブレイザーなんて
使っていられない、海中に逃げ込めないように、いくつかのブーメランが海中に潜って行くのもみた。
こりゃ立って避けるってわけに行かないわね。
あたしは走った、海の上を全力疾走で…。
「魔法弾は術者の判断で起爆してるはず、だったら…こういう流儀だってあんのよ！」
水中に幻影を送り込む。
向こうの想像してるとおりの動きで。
あたしは姿を消す。見破られているのは前提で。
あたしの切り札は、見破られてなきゃ決まらない！。
「ふ、海面を走っているのは、見えているぞ」
「見えていた、過去形でしょっ！」
アンカーガンを、スバルのウィングロードに向けて撃ち、最大出力で巻き上げる。
重力を消しても慣性は残る。この加速度でアンカーガンを巻き上げるには
クロスミラージュに発生させたバリアの中に自分がくるまっている必要がある。
そうしないと、クロスミラージュだけがとんでいってはいそれまで。
そして、このバリアが、あたしをセッテの魔法弾から守ってくれる。一石二鳥よ。
「そろそろこっちのターンよ！」
「そんな豆鉄砲、当たっても打撃にはならない」
「…クロスミラージュ、安全係数１０、必要魔力算出後カートリッジロード開始」
「roger.…Chage cartridge,3 times」
「…3回？…全部で12発か…ま、安全係数１０じゃ仕方ないわね」
次々とクロスミラージュがカートリッジを弾く。
この様子を見られないなんてことはあり得ない。
この、制御出来るかどうかもわからない馬鹿魔力で何をするつもりなのか
それを、見破られたら…たぶん、終わりね。
「…これがあたしの全力全開…」
「チャージなどさせるものか」
セッテがブーメランで包み込むように攻撃してきた。…よし、はまった！
フォーメーションFで想定していたとおりのパターンに来たっ！
「エミー、そろそろおまえの出番だ。
セッテのリカバリーの準備をしておきなさい」
「パパ、セッテは優勢に戦ってませんか？」
「エミー、よく見ていなさい。…おまえは今、ストライカーの戦い方を、学ぶことになるのだからね」
「パパ、ストライカーの戦い方ですか？」
「そうだよ、エミー。おまえは聖王なのだから、エースオブエースだけではなく
ストライカーにも勝る存在であることを、証明するんだ。
１％は不可能を意味するのではなく、９９％は絶対ではない。
その意味を、あの戦いの中から、学びなさい
おまえには必ず出来る。おまえは、聖王なんだからね」
「わかったわ。パパ」
「愚かな…それほどの魔力、制御できる訳がない」
「制御する必要があればの話でしょ。…あたしが考えてるやり方なら
馬鹿魔力ばらまくだけで十分行けるわよ。なのはさん直伝の収束魔法…」
「収束魔法など、途中に収束魔法を分散させるための魔法弾さえ配置しておけば
恐れるには足りない」
「…なんか使わずに、フェイトさん直伝の攻撃魔法！ファントムブレイザー ファランクスシフトっ！」
「馬鹿な！それほどの魔力弾を制御しきれるはずが…」
仕切れるか、仕切れないか、それは問題じゃないわ。
本当のぎりぎりの勝負っていうのはね、失敗したらなんて考える必要なんて無い。
何があろうと、必ず成功させる！ それがぎりぎりの勝負って意味よっ！
けど、出来る出来ないでいうなら、制御は仕切れてない。
放った魔法弾のうち、セッテに当たってるのは2割程度、残りはセッテの魔法弾や
ブーメランを破壊するのに使われてるし、セッテの回りで炸裂しているだけで
命中はしてないものもある。安全係数１０とってあるとはいっても、たぶん
あのときのセッテのバリアだって本気じゃないはず。
「…やはり制御しきれないか、半分でも当たれば私を落とせたかもしれないが
私にたどり着く前に半分以上が私の魔法弾に当たってはじけている。
しかも、たどり着いた弾のうち、私に直撃しているのは半分ちょっと。
そして、これでおまえは力を使い果たす。
勝負はあったな」
「どうかしらね…勝負は下駄を履くまでわからないわよっ！」
「愚かな。下駄はすでに履いた後だろう」
「さっすがティア、魔力の相性もばっちり」
「なにっ！」
「スバル！ぶちかませっ！」
「星光降臨…スターライト＝ブレイカー ！」
ウィングロードを張らず、ジャンプでセッテの直上に待機したスバルが
あたしの放った魔力を回収してのスターライトブレイカーでセッテを撃ち落とす！
こんな事もあろうかと考えておいたパターンの一つに、みごとはまってくれたわね。
これで、後はフォワードチーム全員でトーレの動きを封じれば、フェイトさんを
先頭に、スカリエッティ一味を確保出来る。
「スバル、きっちりセッテにとどめを！」
「わかった、…振動破砕いくよ…」
「ジュエルシード、IXからXII解放…セッテに魔力供給。…セッテはドクターの元へ後退」
「…わかりました、我等が王」
「ごめん、ティア、撃ち漏らしたっ！」
「謝る暇があったらトーレとエミーの連携を切る！
あたしは、クロスミラージュを遠距離射撃モードにしてセッテを牽制するわ」
『我が主、出番です』
「…うん、…ライチェントゥークス。レイジングハート、セットアップ！」
『わかりました、我が主』
『Yes,my load』
変身魔法発動、今朝用意しておいたバトルジャケットを見せるときがやってきました。
今までの戦いから、ヴィヴィオも、トーレやセッテやクアットロの戦いぶりについては
覚えました。そして、ティアナお姉ちゃんの戦い方も。
ヴィヴィオも、今は、Stand by ready!です。