めりかるうぃっしゅ
〜機動六課再結成なの〜
私の名前は高町ヴィヴィオ。ヴィヴィオだよ。
今日はエミーちゃんのおうちにお呼ばれしました。
今は帰りのタクシーの中です。
アカリちゃん、冬美ちゃんも一緒なんです。
もちろん、ライチェントゥークスはいつもいっしょです。
そして、今はなのはママのデバイス、レイジングハートもヴィヴィオのポケットの中です。
ヴィヴィオがエミーちゃんのおうちにお呼ばれしたので、なのはママが
ヴィヴィオを心配してレイジングハートをエミーちゃんの家に送ったんです。
さすがは、スバルお姉ちゃん達のデバイスの原型になった高性能デバイスです。
自律動作も可能なインテリジェントデバイスなんて、ちょっとやそっとでは見あたりません。
「それにしても、すっごいおうちだったよね。ずっとあそこに暮らしてたのかな」
「ずっとじゃなくて、最近引っ越してきたんだろ。その前はどこに住んでたのかは謎だけどさ」
「それは教えてくれなかったよね」
「もしかしたら、転校するときに引っ越してきたっていうのが嘘で、本当は
ずっとあそこに住んでたのかもしれねーけど」
「うーんと、エミーちゃん、そんな嘘つく理由あるかな」
「わかんねーよ。あたしはエミーじゃねー。けど、引っ越しもせずに転校したなんて
いうより、引っ越してきたっていうほうが、納得してもらいやすいだろ」
「そうかなあ。けど、やっぱり、エミーちゃんは引っ越してきたんだと思うよ。
お母さんの仕事の都合で、いろんな国を回ってるんじゃないかな。きっと」
「どうだかな。気になったら明日聞けばいいだろ。今日引っ越すってわけじゃないんだから」
「そうだよね、冬美ちゃん」
「そうだなゲッコウ・・・て、ヴィヴィオ、おまえ、何ブルー入ってんだよ」
「え、ヴィヴィオ？あ、ごめん、ぼんやりしてた」
「エミーとお別れだって聞いて、そんなにショックだったのかよ。
ほら、もっと元気出せって、明日もエミーは学校来るんだぜ」
「…え、えと…その…」
『我が主、そこまで心配しなくても大丈夫です。まだ何かあったと決まったわけではありませんし
それに…』
「うん、わかってるライチェントゥークス。けど、なんだか不安なんだよ」
「不安って、何が不安なんだよ。エミーんちに何か忘れ物でもしたのか？
だったら今からでも電話掛けて、明日学校に持ってきてもらえばいいだろ」
「ううん、忘れ物ってわけじゃないよ」
「じゃ、なんだってんだよ」
「ううん、なんでもないよ」
「ヴィヴィオちゃん、なんでもないって顔じゃないよ。
心配事があるんだったら、言ってみたら」
「えとえとえと、べつにたいしたことじゃないから。
ただ、なのはママに帰るって電話しようとおもったら、留守だっただけ」
「なのはおばさんが留守って、べつになのはおばさんだって
いつでも携帯持って仕事してるわけでもないだろ。
家に電話掛けたって、お客さんが多ければ出てられないのかもしれないぞ」
「うん、それならいいんだけど…」
「てか、仕事中は翠屋の中だっての。翠屋が火事にでもならないかぎり
なにもおきるわけねーよ。ヴィヴィオは心配しすぎ」
「あー、そういう可能性もあった。火事になってたらどうしよう…」
「だからヴィヴィオは心配しすぎだっていってんだろ。
本当に火事になってたら、すぐに消防車とか野次馬とか集まってきてるって」
「冬美ちゃんも脅しすぎだよ…あの、運転手さん。あと何分ぐらいで翠屋に着きますか？」
ただ電話に出ない、というだけなら、ヴィヴィオもそんなに心配はしません。
レイジングハートがなのはママに連絡が取れないというから、心配してるんです。
なのはママが電話に出られなくても、仕事が忙しくって返事をする暇が無くても
レイジングハートが連絡とれない、ということはないはずです。
「ヴィヴィオちゃん、ほら、あと５分もあれば翠屋に着くって」
「渋滞してなければだよね」
「ったく、ネガティブ思考だな。渋滞したらそこでおろしてもらって走ればいいだろ」
「あ、そか、冬美ちゃん賢い」
「もっとも、ヴィヴィオの場合、こけなきゃだけどな」
「冬美ちゃん誰の味方なの…」
「すこしは、気が楽になったか？」
「え？冬美ちゃん、気に掛けてくれたの？」
「ばーか。暗い奴に隣座られてちゃこっちの気が滅入るって思っただけだよ」
「冬美ちゃんらしい親切だね」
「ったく、ゲッコウもわかったようなこといわなくていいって。
あ、運転手さん。３人とも翠屋で降りますから」
「え？家まで帰らなくていいの」
「タクシー代がもったいねーよ。あたしもお小遣いそんなにないし」
「ヴィヴィオもそんなにお小遣いないよ。
帰ったらなのはママがタクシー代出してくれるんだって」
「なのはおばさんだけ払うんじゃ悪いだろ、折半でいいって」
「わたしも、後でちゃんとママに言って返すからね」
「うん、…なのはママに言ってみるね」
５分なんてすぐ経ちます。
タクシーは翠屋の前に到着です。
ヴィヴィオはとりあえず降りて、翠屋の中に駆け込みます。
タクシー代をヴィヴィオは持ってません。運転手さんに待ってもらって
なのはママからタクシー代をもらわないといけないんです。
「ただいま〜。なのはママ〜」
「お帰り、ヴィヴィオ」
「お帰りなあ。結構遅かったんやな」
「ヴィヴィオおかえり、なのはさんは？」
「ヴィヴィオ、帰りが案外遅かったわね。どこかに寄り道してたのかしら」
「久しぶり、ヴィヴィオ」
「ヴィヴィオちゃん久しぶり」
「ヴィヴィオか、久しぶりだな」
「ヴィヴィオちゃん、お久しぶりですぅ」
「ヴィヴィオ、元気してたか？」
「ヴィヴィオちゃん、久しぶりですね」
「…」
無言なのは、ザフィーラおじちゃんです。
一応、上から順番に、声を掛けてきた人を紹介すると、フェイトママにはやておねえちゃん。
スバルお姉ちゃんにティアナお姉ちゃんに、エリオお兄ちゃんにキャロお兄ちゃん。
シグナムおばちゃんにリィンIIおねえちゃん、ヴィータおねえちゃんにシャマルおばちゃん。
無言なのはザフィーラおじちゃんです。犬形態なので無言です。
けど、喫茶店の中では、むしろ人間形態のほうがよかった気がします。
…と、それどころではありません。
「ただ今フェイトママ。なのはママは？」
「なのは？…レイジングハートが知ってると思うけど、どうしたの？」
「えと、フェイトママ、レイジングハートならここだよ」
そういうと、ヴィヴィオはポケットからレイジングハートを取り出します。
フェイトママの顔色が変わります。
「どういうこと？なのはがレイジングハートを手放すなんて」
「あのね、話せば長くなるんだけど…」
ぷっぷー。
あ、もっと大事なことを忘れてました。
「えと、フェイトママ、タクシーで帰ったから、タクシー待たせてるの。
それで、タクシー代貸してほしいんだけど…」
「うん、いいよ、今払ってくるからね」
「ありがと、フェイトママ」
「どういたしまして」
レイジングハートは、翠屋の中を所在なさげに漂います。
フェイトママは、ハンドバッグを持ってタクシー代を払いに表へ出てくれました。
「こんばんは、…今日は翠屋が貸し切りなんですね」
「こんばんは、…あ、あの、スバルさん、お久しぶりです。…えと、こちらの方は…」
「あたしが紹介するね。こっちがあたしの元上司のはやて部隊長で
こちらの小さいの…って、ええっ！」
「…リィンがどうかしましたかぁ」
「どうかしましたかじゃなくて、サイズサイズ！」
「リィンは基本このサイズですよぉ」
「……」
「……」
「……ぁ」
あわててリィンIIおねえちゃんは姿を隠します。
部屋の奥から、ばたばたとあわてたように、人間サイズになってから走り込んできます。
「リインフォースツヴァイ、ただ今参上ですぅ」
「…こちらが、はやて部隊長の副官のリインフォースツヴァイ。
で、フェイトさんは知ってるよね」
ここから先の紹介は、冬美ちゃんにも月光ちゃんにも、まるで耳に入ってないみたいです。
よっぽどリィンIIおねえちゃんのことが、ショックだったみたいです。
ヴィヴィオも、ショックな理由はわかります。本物の妖精さんみたいな
リィンIIお姉ちゃんの姿を見たら、ヴィヴィオだって、地球生まれだったなら目を疑っちゃいます。
「…それで、こっちが冬美ちゃんで、こっちがアカリちゃん。二人ともヴィヴィオちゃんの友達だから。
冬美ちゃん、月光ちゃん、自己紹介できるかな？」
「は、はいスバルさん。…あ、あたしが川崎冬美、家は川崎流の道場をやってます」
「中島…月光です。アカリって読みますけど、漢字で書くと月光です。はじめましてみなさん」
「はじめましてなあ。ヴィヴィオの友達なんか？ヴィヴィオが迷惑かけてへん？」
「あ、あの、何かお仕事のお話で迷惑でしたら、すぐ帰りますから」
「そんなあわてへんでも、なのはちゃんが帰ってくるまで仕事の話するつもりないんよ。
マスターに頼んで、ジュースぐらい出してもらうわ。
大丈夫、わたしがおごるさかいな」
「そんな、悪いです、初対面の人におごられるなんて」
「きにせんでええんよ。なのはちゃん待ってるだけやから」
「…え、えと、あの…なのはママは…はやておねえちゃんの用事で出かけてるんじゃないの？」
「…どういうことなんや？士郎おじさんの話を聞く限りやと、なのはちゃん、自分で
用事があるいうて翠屋を出かけたらしいんやけど。
わたしら、６時にこっちに来る予定立てて、翠屋を貸し切りにしてもろうたんや。
貸し切りやし、晩ご飯もここでごちそうになるつもりやし、そういうわけで
ヴィヴィオのお友達におごってもべつにかまわへん、ちゅうわけや」
「はやておねえちゃん。それはいいんだけど、なのはママは？なのはママに連絡とれないの」
「なのはちゃんなら心配せんでも、すぐに帰ってくるんやない？」
「だから、なのはママとは、レイジングハートも連絡が取れないの。
はやておねえちゃん。なのはママ、どこ行ったか知らない？」
「……………っ」
はやておねえちゃんの顔色が変わります。
（ヴィヴィオ、なのはちゃんと最後に連絡とったのいつや？）
（えっとね、お昼休みにエミーちゃんの家にお呼ばれしていいか聞いたのが最後だよ）
（・・・エミーちゃんの家？エミーちゃんって、あのエミーちゃん？）
（うん、そうだよ。なのはママも行っていいって）
（なのはちゃんが行っていいいうたんか…それで、何か変わったことはなかったんか？）
（変わったことって、特にないよ、ただ、エミーちゃんが、パパが帰ってきたら
ひっこしちゃうってことぐらい）
（パパ？引っ越す？……あーっ！そうかぁ。それでレイジングハートを…
大体わかったわ。けど、…なのはちゃん、どこへ消えたんやろ…
わからんなあ。なのはちゃんのことや、無事やとは思うけど…
念のために、シャマルに探してもらうわ）
念話ではやておねえちゃんがそう話をすると、こんどはシャマルおばちゃんに
何か念話で話しかけたみたいです。
シャマルおばちゃんは、何気ない風を装って、翠屋の奥に引っ込んでいきます。
たぶん、クラールヴィンドを使って、なのはママを探してくれるんだと思います。
クラールヴィンドの捜索力なら、半径一キロ以内になのはママがいれば
確実に見つけてくれるはずです。
「そ、それでスバルさん。みんなが集まってるのは、一体どういうことで」
「それは、はやてさんに聞いたほうがいいんじゃないかな」
「せやな。まあ、昔を偲んでの親睦会っちゅうことや。
わたしは海鳴市出身やしなあ」
「そうなんですか？」
「せや、１０年前はw清祥小学校に通ってたんよ。
あの頃、わたしは病気で足うごかへんでなあ。
遠くの外国の親戚のシグナムやシャマルに面倒みてもろうてたんや」
「遠くの外国の親戚？」
「ヨーロッパの方や。グレアムおじさんの知り合いなんよ」
グレアムおじさんといわれても、月光ちゃんや冬美ちゃんにはわかるはずがありません。
けど、ヨーロッパの方というのは、間違いじゃありません。
グレアム提督も、出身は第９７管理外世界のイギリスです。
「機動六課も出張で海鳴市に来たことあるし、なにしろここは聖地やからな」
「聖地なんですか？」
「まあ、聖地いうても、どっちかいうと、タレントの生家っちゅう意味での聖地やけどな。
なのはちゃん、管理局じゃマスコット扱いなんよ」
「管理局って、スバルおねえちゃんみたいなレスキュー隊とかある所ですよね」
「まあ、そんな所やな。なのはちゃんは人助けの名人でもあるからな。
な、スバル」
「は、はい、そうですねはやてさん。なのはさんには、本当に命を助けられましたから」
「ということは、なのはおばちゃんも、レスキュー隊なんですか？」
「なのはちゃんは、レスキュー隊ちゅうか、教導官やな、人に教えるのが仕事や。
スバルは完全なレスキュー隊やけど。今やレスキュー隊にスバルあり、ちゅう立場なんよ」
「さすがスバルさんですね」
「なのはさんに比べればあたしなんて全然ひよっこだけどね」
なのはママみたいだったら、管理局がほっときません、かならず教導隊に引っ張られるはずです。
けど、スバルお姉ちゃんも十分すごいんです。なのはママをヴィヴィオと一緒に
ゆりかごから助け出してくれたのは、スバルお姉ちゃんとティアナお姉ちゃんでした。
「はやてちゃん大変大変、なのはちゃんの反応が全然ない…」
「シャマルっ！」
「え？…あっ！」
「なのはおばちゃんがどうかしたのか？」
「なのはママがどうしたの？」
「………ばか」
シャマルおばちゃんは、うっかりさんです。
せっかく、はやてお姉ちゃんが念話で話をしたのに
シャマルおばちゃんがこんなあわてかたをしたら、台無しです。
それに、ここにはまだ冬美ちゃんも月光ちゃんもいるんです。
二人に、一体どういう説明をしたらいいんでしょう。
「…しゃあないなあ。いまさら二人に隠してもしゃあないやろ。
けど、このことは、他の人には黙っててな。
実は、おばちゃんたち…世界の平和を守る正義の味方、時空管理局所属の
特殊部隊員なんよ」
「…えと、それ、ヴィヴィオちゃんから聞いて知ってました」
「スバルさんの話をヴィヴィオから聞いてるうちに、なんとなくわかってましたから」
「なんや、知ってたんか、拍子抜けしたなあ。
知ってるんなら話が早いわ。観光で来たっちゅうんは、世を忍ぶ仮の姿や。
この世界に危機が迫ってる、かもしれへんから、わたしらが来たんよ。
時空軌道上には、時空管理局の輸送船アースラが待機してるんや。
わたしらはそれに乗ってここに来て、なのはちゃんと合流するつもりやったんやけど
もしかしたら、入れ違いでなのはちゃん、…悪の組織と１人戦いにいったんかもなあ。
そういうわけで、悪いけど、２人とも、今日は帰ってくれへんかな？
大事なうちあわせがあるんよ」
「大事な打ち合わせ…わかりました」
「うん、ジュースはつけにしておいてね、はやておねえちゃん」
「了解や、ジュースはちゃんと後でおごるさかいな」
「おおきありがと」
「あの、はやておねえちゃん、ヴィヴィオも手伝っていい？」
「ヴィヴィオ、これは遊びではない。おまえはここでじっとしていろ」
「そうだな。ヴィヴィオが前線に出ると、あたしらが余計な気を遣うことになるからな」
「…ヴィヴィオ、なのはは、ちゃんとフェイトママが見つけるから、ね。
心配しないで」
「…うー、けど、ヴィヴィオもなのはママを探す。ヴィヴィオだって
ガジェットなんかには負けないもん」
「やめとけよヴィヴィオ。おまえがいくらあの変な機械からエミーを助けたからって
まぐれは二度もないぜ。おまえはどんくさいんだから、スバルさんの足手まといになるのがおちだっての」
「うん、ヴィヴィオちゃん、変な婦警さんが相手とは限らないんだから、無理はしないほうがいいと思う」
「え、えと、変な婦警さんってなんのこと？変な機械って？」
「あのさ、ヴィヴィオ。おまえ、あれでばれてないつもりだったか？」
「最初見たときには半信半疑だったけど、エミーちゃんを助けるのを見たときには確信したよ」
「川崎流の見切りなんて使えば、ヴィヴィオだってすぐわかるぜ。
空飛ぶなんて芸当、人間じゃ出来ないし、川崎流なんてマイナーな流派使う奴なんて
めったいないからな」
「えとえとえと、…もしかして、知ってて、知らないふりしてたの？」
「知られたくないっていうのはわかったからさ。知らないってことにしといたぜ」
「えと、証拠がないことを言うのも、悪いかなって…」
ちょっとショックです。 わかってたんなら、おばちゃんなんて言わなければいいのにと思います。
『我が主、むしろ、おばちゃんでショックを受けてるからばれたのでは』
「そんなことないよぉ。 １６歳でおばちゃんって言われたら誰でもショック受けるよぉ」
「とにかく、ヴィヴィオはむりすんな」
「そうだよ、ヴィヴィオちゃん」
「…けど、ヴィヴィオもなのはママ捜しに行く。
フェイトママ。…なのはママは、フェイトママを助けに行くとき
危ないからとか、無理かもとか、思わなかったでしょ。
はやておねえちゃん。なのはママは、リインおねえちゃん止めようとしたとき
出来ないかもとか、無理だからとか、言わなかったでしょ。
ヴィヴィオも、出来ることがある限りは、出来ることをやるんだもん」
「…さすがなのはさんの娘ね。…普通に止めても聞いてくれないか」
「けど、ヴィヴィオ、無茶しなくていいときに、無茶するものじゃない」
「うん、エリオ君の言う方が、正しいと思うよ、ヴィヴィオちゃん…」
「…そうやなあ。危ないっちゅうんもわかるし、ヴィヴィオの気持ちもわかる。
せやから、本当にヴィヴィオに出来ることがあるかどうか、試験して
その結果で、ヴィヴィオにてつどうてもらうかどうか、決めようと思うんよ。
みんな、それでええか？」
「試験？はやて、本気でヴィヴィオを出すつもり？」
「本気や。わたしの考えてる試験に通るんやったらな」
「…その試験に通ったら、なのはママを捜しに行っていいの？」
「勝手に出かけたらあかんよ、機動六課の入隊テストやからな」
「それでいいよ。…ヴィヴィオ、その試験、受ける」
「おい、ヴィヴィオ、本気かよ…」
「ヴィヴィオちゃん、大丈夫？」
「…冬美ちゃん、月光ちゃん、ヴィヴィオだって、やるときにはちゃんとやるんだよ」
『我が主、生半可な試験だとは思えませんが、大丈夫ですか』
「大丈夫じゃないかもしれないけど、ヴィヴィオはやるよ。やるって決めたもん」
なのはママは、ライチェントゥークスの心配したとおりに、行方不明になってました。
けど、ただやきもきするしかなかったときより、気持ちはむしろ落ちついてます。
なのはママのために出来ることがあるから、ヴィヴィオは、元気です。