義経外伝：明けましておめでとう

　一同：あけましておめでとうございます。
　敦盛：テレビに向かって挨拶するのもおかしい話ですね。
　知盛：これはテレビに向かって挨拶したのではない、家族みんなでの挨拶だ。
　　巴：そうよ～テレビはただの合図なのよ～
　与一：部屋に居ながらにして除夜の鐘か。ずいぶんと便利な世の中になったものだ。
　　静：与一さ～ん。このお話だと～みんな平成生まれですから～
九羅香：まあまあ、そういう楽屋なお話はなしってことでね。
　玲奈：さてと、せっかく新年なんだから、ほら、お待ちかねのあれがあるだろ。
　　楓：あら、固有名詞が出てこないのかしら。老化の始まりね。
　玲奈：なんだと～っ！
　弁慶：つまらないことで喧嘩するなよ二人とも。
　　巴：あら～なら弁慶くんはお年玉がいらないのね～もうかっちゃった。
　知盛：かあさん、そんな意地悪をいうものでもないだろう。
　教経：おお、弁慶には俺からお年玉をやろう、しっかりと受け取れ。
　弁慶：つー・・・・・何するんだよ！いって～俺じゃなかったら死んでるぞ。
　教経：なにを惰弱な。軟球が当たって死んだ奴はいない。
　弁慶：心室細動で死んだ奴ならいるんだよ。
九羅香：弁慶、なんだその心室細動っていうのは。
　　静：高円宮の～死亡原因として～有名なものですよ～
　紅葉：あれから究明装置が各地に備えられるようになりましたね。
　　巴：新年そうそう辛気な話はやめましょう～はい、おとうさん一杯どうぞ。
　知盛：すまんな。ではかあさんにも
　　巴：きゃー。ありがとー。
　廉也：観月様、楽しそうですね。
　観月：ええ、今年も、楽しい一年になりそうです。
　与一：楽しい、というか、賑やかな年になりそうだな。
九羅香：楽しい年になるんじゃないよ。楽しい年にしなきゃ。ね。みんな。
　弁慶：ああ、そうだな九羅香。
　　楓：さすがおねえさま、いいこというわね。
　紅葉：では、みなさま、…せっかくですから、読者の方に。
　　巴：えー、そんなのいいわよ～内輪でぱーっと。
　知盛：かあさん。酒の一合や二合でできあがるほど弱くもないだろう。さあしゃんとして。
　　巴：えーめんどくさい。
　教経：さあ、新年の御神酒だ。弁慶も飲め
　弁慶：俺は未成年なんだよ！
九羅香：いい加減にしろみんな。はい、みんな並んで並んで・・・

少女義経伝論外伝

～除夜の鐘～