ここは、弁慶たちが通う学校、の屋上である。
「うふふふふ〜今日もやってきましたね〜お弁当の時間〜」
「そうだなにゃる子」
「なんか感動がないですね真尋さんは」
「少年、いただきます」
「いただきます、真尋くん」
「真尋さん、なんでサバゲー大会には出なかったんです？」
「部長が出たじゃないか。僕らの出る幕じゃないよ」
「なんか楽しそうなイベントでしたよ。鯖の着ぐるみとか登場してたみたいですよ」
「B.S.E先輩だろ。あの人はいつもああなんだから」
「おお、今日のお弁当は松茸ご飯じゃないですか」
「中国産だけどね。さすがに国産はたかすぎて手が出ないよ」
「なんで中国産だと安いんですかね」
「なんでだろうね。やっぱり広いからかな」
「香りからして違うとも言う……」
「食べてみたいね、日本産」
「無茶いうなよ、桁違いに値段が違うんだから」
「国産なら山にはいってとってくればいいじゃないですか真尋さん」
「なお無茶言うな。山に入るのは許可がいるし、素人じゃ見つけられないって」
「なんだ、つまんない」
「そうそう簡単に見つかるものなら、そもそもそんなに高くないって」
「それもそうですよね。プレミアが高いのも、簡単には見つからないからですよね真尋さん」
「そういうこと……って、なんでそういう方向に理解するんだにゃる子は」
「気にしたらだめだよ真尋くん……」
そんなこんなで昼休憩も終わる。
で、放課後。
「私たちは部活をしてるですから、クー子はさっさと帰ってるですよ」
「真尋くん、部活、がんばってね」
「ああ、ハス太、留守番よろしくな」
「うん……」
「にゃる子、一緒に帰ろ」
「あんた何を聞いてたですか、私は部活があるって言ったですよ」
「だから、部活が終わったら一緒に帰ろ」
「はあ、あんた学校でなにをするつもりでですか」
「携帯ゲーム」
「学校でやるのは禁止されてるですよ。いくら校則の緩いうちの学校でもさすがに禁止」
「校門の外でやるのは禁止されてない……」
「にゃる子、あんまり漫才やってると部長に怒られる、さっさと行こう」
「あ、待ってくださいよ真尋さん〜」
というわけで、普通に部活が終わった後、部長から部員たちに話がある。
「というわけで、今年も例年通り、秋の合宿が連休を使って行われる。
今年は山に行く。山で体力作りと精神修養を主に行う予定だ」
「真尋さん、山ですよ、松茸狩りのチャンスですよ」
「松茸山なんてそうそうあるわけないだろにゃる子……」
「ああ、松茸狩りか、松茸が生えてるかもしれないな」
「本当ですか！」
「そう簡単にはみつかるとも思えないが、一応入山許可はとってると
紅葉から聞いているぞ」
「だそうですよ真尋さん。日本産松茸を入手する絶好のチャンスですよ真尋さん」
「そう簡単に見つかるともおもえないがな。入山許可が簡単に手に入ったところを考えると。
だが、松林もある山だ。あってもおかしくはないな」
「はいっ、がんばります」
「松茸はあくまでおまけだ、合宿をがんばれよ、にゃる子」
「もちろんですよ、部長」
現金なにゃる子は完全にやる気モードに入っていた。
山にあるのは、何も松茸だけではない。危険もたくさんあるだろうに。