さて、今日は天皇誕生日、クリスマスパーティの前日である。
みねあと修吾はなにやら学校中に魔法陣を描いている。

「これでええやろ。魔力無効陣設置完了や。ホワイトクリスマスはおじゃんかもしれんけど
　今回は危ない生き物がうろついてることやし、これくらいの警戒はしとかなあかんやろな」
「危ない生き物とは失礼だね。ボクは宇宙のエネルギー問題解決のために働いてるんだよ」
「地球にとってはなんもメリットあらへんわ。とりあえず、ここはうちのテリトリーや」
「はいはい、わかったよ。クリスマスパーティ中は勧誘を自粛すればいいんだろ」
「せや。ま、適当にかわいいマスコットを演じる分には厳しいこと言うつもりもないけどな」
「そう願いたいね、グリーフシード回収はボクの大事な仕事なんだからね」
「ま、そういうことにしておこうか」

とまあ、こんな感じで天皇誕生日は過ぎていった。
そして、迎えたクリスマス・イヴ当日。

「今年もやってきましたクリスマス通知表が良い人も悪い人も今は忘れて楽しみましょう♪」

勇姫のアナウンスで、クリスマスパーティの開始が告げられる。

「それとこの時期賞金首となる会長さんを捕まえた方には購買部から商品が送られます皆さん参加してくださいね」
「さゆりくん、どうやら我々は賞金首になっているらしいぞ」
「賞金首は会長だけでしょう。まあ、一蓮托生に私も巻き添えなんでしょうけど」
「ま、いざというときはさゆりくんだけでも任務を遂行したまえ。私はあえておとりとなろう」
「なんでそうなるんですか。全部会長がやってくださいよね」
「声が高い。みつかったらどうする」
「一応、普通の変装はしてるからばれないとはおもいますけど……」

仮にも忍者のさゆりによる変装である。一般生徒にはばれてないようであった。

「ここでCMです。今回はもてない男性救済処置として購買部より校内美少女ランクトップ１０の人達の手作りケーキ（試作）が競売中ですちなみに１０００円からです」
「いや待て……そこに行くって事はもてないと言う事を認めることになるのではそれと競売ってどう考えても割高だろうに」
そうつぶやくのは無月だ。
まあ、持てる者に持たざる者の気持ちはわからないのかもしれない。

「あれ、もしかしてマミさんがケーキを作っていたのって、これに出すためだったんですか？」
「ええ、そうよ。生徒会のかたに頼まれて……でも、美少女っていうのは初めて聞いたわ。ボランティアでケーキを作ってほしいっていう話だっただけで」
「あら、そうなんですか、私もケーキを作るように頼まれましたけど、お断りいたしましたの。私、不器用ですから」
「仁美も作ればよかったのに、マミさんに教えてもらって」
「習い事がいろいろありますから」
「あー、仁美はお嬢様だもんね〜」
「え、えと……実は……その……私も……作るように頼まれて……作ってみたんですけど……」
「ほむらちゃんも作ったんだ。どんなの作ったの？」
「え、えと……出品したから……」
「そうなんだ。ほむらちゃんも美人さんだもんね」
「ほ、本当に私なんかが出して……よかったんでしょうか……」
「そもそも、どういう基準で選んだのかしらね」
「購買部で、中等部5人、高等部5人を独断と偏見で選んだらしいよ」
「キュゥべえ」
「これがこの学校のクリスマスパーティなんだね」
「そうみたい。玲奈ちゃんは高等部の九羅香先輩たちの方へいってるようだけど」
「それにしても今年はいろんなことがあったね」
「そうだね、ワルプルギスの夜がやってきたり、ほむらちゃんと知り合ったり」
「え、ええ……そう、ですね」
「どうしたの、ほむらちゃん？」
「いえ……なんでもないです……その……まどか……さん」
「なに？　ほむらちゃん」
「私、まどかさんの役に……立ってるでしょうか」
「すごく助かってるよ、本当に。……時間停止は使えなくなっちゃったけど。それでも
　ほむらちゃんの冷静な判断力には本当に助けられてるから」
「ありがとう……まどかさん」

さて、ここで場面は無月のいる場所に変わる。
「言っておくが魔法少女の営業なら………会長の胃に詰めるぞ」
「営業はしないさ。みねあとも約束したしね」

さて、さらに場面は変わる。
みねあに報告してるのはB.S.Eである。

「毎度お馴染み、拙者B.S.E.！
　出前迅速、処理万全
　安全確実、真実一路!
　何でもかんでも引き受ける、生徒会公認隠密B.S.E.
　依頼によってただいま参上!
　みねあ殿、パーティまで間までの鐘の無事と作業が無事完了したことを報告するでゴザル。」

今回の服装はねじりはちまきにはっぴを着た江戸時代の大工風の姿で人の頭くらいのサイズがある木槌を持って登場します。
その木槌には100ｔとマークがついていたりする。

「ご苦労様やったな。あとは仕上げを待つばかりや」

仕上げとは何か？　それは後のお楽しみ。

さて、パーティはだんだんと盛り上がってきていた。
パーティが盛り上がれば、給仕の仕事も自然と増える。
給仕の仕事を請け負った修吾の仕事も忙しくなってきていた。

「追加料理持ってきたよ」
「あ、ありがとう」
「ドリンク等種類あるから気兼ねなく言って」
「パインジュースお願いね」

本当に忙しそうだ。

宴たけなわでございますが、ここらでさらに勇姫からアナウンスがある。

「ではクリスマスプレゼントクイズをはじめます全５問正解の人には生徒会よりプレゼントが贈られます」

「おぉー」

「では第一問、クリスマスを祝う宗教は何でしょう？」

これはほぼ全員がクリアする。

「簡単すぎましたですねでは第二問です　この学園が設立した年は何年でしょう？」

ここでまず、大半の生徒が躓く、歴史はそれなりにあるのだが、みんな興味はないのだ。

「おっといきなり減りましたこの学園に居るのだから知って置いてくださいねでは次第三問です　最近この学園付近で謎の生物が女の子に魔法少女にする為の営業をしていますそこで問題、その謎の生物の名前は一体なんでしょうか」

これは比較的残った生徒が多い、生徒会と購買部の注意喚起が行き届いてるからだろう。

「上手い話には何かしらの落とし穴がありますので不用意に魔法少女にならないでくださいねではここからが本番です第四問、誰もが知っている学園一の道化師学術名”会長さん”彼の本名は何でしょう？」

ここでさらにがたんと減る。みんな会長としか認識してないからだ。

「ここまで残るなんてすごいですねでは最終問題　いまや誰もが本名を忘れられた二年生の弁慶くん彼の本名は一体どんな名前でしょう？」

……全滅した。たぶん本人しか覚えてないだろうが、本人は設立年のところで脱落していたのだった。


さて、舞台を伝説の鐘に移そう。

「……つまらん、伝説の鐘を鳴らしに来るカップルを阻止しようと思ったが、そもそも誰も来ないではないか」
「盛り上がらないイベントになりましたね」
「そもそも鳴るのかこの鐘は」
「引っ張ってみればいいでしょう」
「ふむ、そもそもひっぱれんぞ」
「おかしいですね。何々、二人で引っ張ること、と書いてありますね」
「どうせつまらん魔法でもかかっているのだろう」
「試してみますか？」
「誰が引っ張っても鳴るだけの話だろう。鐘が鳴れば誰か来るかもしれん、引いてみるか」

さゆりと会長が力を合わせて鐘を引くと……

鐘がぶつかる音を出して鳴りながら落ちてくる。

「究極のバカップルの為につくられた、「リア充もげろ」判定器が満点になると、「直接」祝福の鐘を渡すように頼まれたでござる。」

B.S.E、会長達を見下ろして説明する。

「なんじゃそりゃー」

会長とさゆりでなければ重傷を負っていただろう。あの二人だからたんに鐘の下敷きになるだけで済んでいた。

こうして、クリスマスパーティは成功裏に終了した。


「雪か……今年もホワイトクリスマスだな」

無月がつぶやく。
今年は、魔法の助けもなしに、ホワイトクリスマスが訪れた。

修吾は、　ケーキを持って壁に移動して
「今回は上手く行って良かったな…」

そこへ、無月と勇姫も合流する。

「メリークリスマス♪」

「ん…メリークリスマス」