お客様番号：０１９　霧生　　忍
　　　　　　　０２０　園宗寺　要


　「申し訳ありません、園宗寺さん」
　「気にするな、奴らの手の内を知っただけでもよしとするべきだ」
　「はっ」
　「引き続き情報収集に当たってくれ」
　「かしこまりました」

　かくして、DICEのエージェントの一人
　霧生　忍はカスミ・アインハルト誘拐のために
　カスミの居所の捜索を始めたのであった

　だが、東京は広く霧生の権限は少ない
　ディゾナントを放ったところで、せいぜいわかるのは
　誰かに襲われて壊滅させられたと言うことぐらいだ

　「あの、これ・・・」
　「なんだ？」

　ふと、気がつくと、目の前に、ピンクの髪とその中から飛び出した
　うさみみが印象的な少女がいた

　思わず、差し出されたチラシを受け取ってしまう

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                           ちょっとした悩みがあるとき
                         ほんの少しの手助けが必要なとき
                   そんなとき、私たちのことを思い出して下さい

    Ｍｙｓｔｉｃａｌ　Ｍｉｒａｃｌｏｕｓ　Ｍａｇｉｃｉａｎｓ　Ｃｏｍｐａｎｙ

             ・・・・・・・いつでも、あなたのそばに・・・・・・・・

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　「・・・・・なんなんだこれは？」
　「あのね、困った人を助けるためのお仕事をしているんだよ」
　「残念だが、関係ないな」

　うるうる

　「・・・・・・ぐっ、し、しかし・・・俺の任務は・・・」

　ころころ・・・・・
　はい、意志力チェック失敗ね
　というわけで、霧生　忍はＭＭＭＣ魔法商会へと向かうことになったのであった

　「ちょっとまてぇ！」

　しらんしらん、そうでもしないと話が前に進まないだろ

　（からんからん）

　「いらっしゃいませ、どういったご用件でしょうか？」

　いつものごとく職業用スマイルでみねあが応対に出る

　「・・・別に用事はない」
　「嘘ついたらあかん、このお店にはなにかしら悩みのある人が訪れるんや
　　さあさあ、正直に言った方がええで」
　「・・・・・・・・」

　ひたすら黙りを決め込む霧生
　だが、人の忠告というものはその意味をよく考えてみるべきである
　いつもがいつも間違っているわけではないのだから・・・って、手遅れだな

☆どっか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん☆

　「あれっ☆？」
　「なんやまりあ、またかいな・・・・・今度はなにがしたかったんや」
　「えっとね☆強制的に真実をしゃべらせる
　　催眠術を掛けるつもりだったんだけど・・・」
　「このやろう！」
　「なによぉ☆ちょっと失敗しただけじゃないの」
　「問答無用！」

☆どっか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん☆

　・・・・・なあ霧生、もう二三発喰らった方がいいか？
　作者としては話を前に進めたいんだけどな

　「・・・・・・・・・・わかった、俺の負けだ、実は・・・」

　”ハッピンパラリコズンパラリン”

　突然部屋の中がピンクの煙に包まれる

　「けほっ・・・店長、なにしてくれるんや」
　「ぶう☆さいて〜」
　「今のうちに・・・」

　煙に紛れて逃げ出そうとする霧生
　さすがに戦闘訓練を積んでいるだけあって、こういった視界のない場面でも
　素早く行動することが出来る

　「させるかいな！」

　だが、一歩早くみねあが扉に施錠の魔法を掛けたのであった
　視界が無くとも、ワンパターンな霧生の行動などお見通しである

　ごんっ

　お約束通り頭をぶつける忍くん

　「いて」
　「なんやだらしないなぁ、こういうときに声立てたらあかんわ」
　「うるさい！」

　そうこういって騒いでいるうちに煙も薄らぎ・・・

　「なんだ忍、おまえも来ていたのか？」
　「え、ええええ、園宗寺さん？なぜここへ…」
　「やっぱりぃこういうことはぁ本職に任せるべきだって言うかぁ」

　いったい何の本職だよ

　「ジ・オーディナンスが存在波のゆがみを検知したので
　　調査のために立ち寄ってみたのだ」
　「だからぁカスミって言ぅ人をぉ捜せばぁいいんでしょ」
　「その通りだ」
　「探すいうても手がかりがなかったら話にならんわ
　　なんかその人の持ち物かなんかがあるとええんやけどなぁ」
　「・・・・・ざんねんながら、写真しかない」
　「写真？写真てなんやねん？」
　「これだ」

　そういうと、園宗寺は内ポケットから一枚の写真を取り出す
　どうやらこの写真はアインハルト博士の遺品から持ち出してきたらしい
　ウンター・デル・リンデンを背景にカスミが笑っている

　「なるほどなぁ・・・これをつかえばええんやな
　　せやたらさっそく召還陣の準備や」
　「そんなことしなくてもまりあ一人で十分だよ☆」
　「ここはみんなでやった方が楽しいで、
　　久しぶりの大技やなぁ、腕が鳴るわ」
　「召還陣か・・・一体どんな方法なのだ？」
　「ま、お客さんは黙ってみとってくれればええんよ」

　そういいながら、めりっちゃとまりあとみねあは、魔法の虎の巻を見ながら
　召還陣を書いていく

　「・・・・これで大丈夫や」
　「だったらまりあの魔法で・・・・」
　「やっぱりぃ、ここは真打ちのぉ…」

☆どっか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん☆

　召還陣が爆音と共に煙に包まれる

　「やったぁ☆大成功！」
　「・・・・？？確かに、誰か真ん中にいるようだな」
　「園宗寺さん・・・でも・・・なんとなく・・・・・」

　徐々に煙がはれてきて、中心にいる人物の姿がだんだんはっきりとしてくる

　「・・・・・ここは？？？」
　「ここはMystical Miraclous Magicians Companyや
　　ところで『おじさん』はだれなんや？」
　「私は・・・アインハルトだが・・・君たちは？」
　「うちはみねあ、で、こっちのとうが立った魔法少女が店長のめりっちゃで
　　こっちの金髪の少女がまりあや」
　「そうか、はじめまして、めりっちゃにみねあにまりあ」
　「・・・・・・だれがアインハルト博士を呼び出せといった！
　　我々が探しているのはカスミの方だ！」
　「？？カスミ？・・・霧生君、どうしてカスミを探しているのかね？」
　「・・・それは・・・」

　助けを求めるような目で園宗寺の方を見る霧生
　確かにアインハルト博士にいえるような事情ではないのだ

　「・・・・一体どんなトリックを使ったのだ？」
　「トリックやあらへん、魔法や魔法」
　「・・・この世に魔法などあるはずがない」
　「いや、魔法もまた科学的に理解可能だ
　　イデア理論に基づく現象も、理論を知らない人達にとっては
　　魔法だとしか思えないだろう
　　それより、どうして、カスミを探しているのか教えていただきたいのですが」

　言葉遣いは穏やかだが、声の方は剣呑である

　「それより、魔法が成功したんやから、代金をはろうてえな
　　死者の霊を呼び出すのは結構高い触媒がいるんよ
　　お客さんお金ありそうやさかい、ここは赤ひげ流に
　　１００００Ｇもらいたいなぁ」
　「Ｇ？円ではだめなのか？」
　「・・・・・・なんか最近こっち側の連中が増えたなぁ」
　「それより、みねあ君・・・・だったね
　　彼らがカスミにちょっかいを出してもらっては困るのだが
　　何とかしてもらえないだろうか？」
　「貴様！裏切るつもりか！」
　「さきに手を出してきたのはDICEの方ですよ
　　ついでに言うと・・・あなたがた、私を見殺しにしたでしょう？
　　そういった方々にカスミを預けるわけには行きませんよ」
　「アインハルトはんは、いくらはろうてくれるんや？」
　「・・・・・すまない、今持ち合わせがない
　　そうか、君たちも商売だったのだな」
　「ええんや・・・・いうてみただけや
　　泣かせる話やなぁ・・黄泉の国から娘を護るために帰ってくるなんて」

　呼び出したのはおまえらじゃないか

　「やっぱりぃ、魔法はぁ人殺しの手段じゃないって言うかぁ」

　ちなみに、イデア理論は魔法とは違うはずである

　「こういう奴らはまりあのまほうで・・・・・」
　「やれるものなら…」
　「うちに喧嘩売るのは１０年はやいんや！」

　”ハッピンパラリコズンパラリン”
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆どっか〜ん★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
　”てらふれあ・ばーすと！”

　だから相手を見て喧嘩を売りなさいって
　忍くんに合掌

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おしまい