特別調査官：ソーニャ・エセルバード

　（ぱら）
　ここは、魔法ギルド総本部
　（ぱら）
　さて、総本部では問題のある部署への査察を実施することにしている
　（わなわな）
　「なんなんですか、この店は！
　　一体ここの連中は魔法をなんと心得てるのっ！」

　言うまでもなく、特別調査官ソーニャ・エセルバードが手にしているのは
　ＭＭＭＣ魔法商会の活動報告書である
　ちなみに、近日ＳＳライブラリに登録予定である

　「こんなもの登録する必要ありませんっっっ！」
　しくしくしく・・・
　「ふふふふ・・・この私が登場するからには
　　このシリーズもこれで最終話ね
　　・・・みてらっしゃい、この世に正義があることを
　　このソーニャ・エセルバードが思い知らせて上げます」

　さて、そのころうさみみ少女は雪の降る中健気にも仕事に励んでいた

　「あの、、これ読んで下さい」

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                           ちょっとした悩みがあるとき
                         ほんの少しの手助けが必要なとき
                   そんなとき、私たちのことを思い出して下さい

    Ｍｙｓｔｉｃａｌ　Ｍｉｒａｃｌｏｕｓ　Ｍａｇｉｃｉａｎｓ　Ｃｏｍｐａｎｙ

             ・・・・・・・いつでも、あなたのそばに・・・・・・・・

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　「出たわね、諸悪の根元」
　「諸悪の根元って・・・どう言うこと？」
　「あのね、一体Mistical Miraclous Magicians Companyが
　　何をしているか知っているの？」
　「魔法で人助けをしているって聞いてるよ」
　「何が人助けですか！
　　未熟な魔法を乱用して混乱をもたらしているだけです
　　そんな店に人を呼ぶあなたも同罪よ」
　（うるうる）
　「そんなシンシアさんみたいな事をしても駄目ですからね」
　（うるうる）
　「私には通用しません」
　（うるうる）
　（ぎろっ！）
　「うわ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん」

　うさみみ少女は走り去った

　「さてと、これで一人悪の道から脱落したわね
　　あとは本体を叩くのみだわ」

　なんと、うさみみ少女の必殺技も通用しないとは
　おそるべしソーニャ・エセルバード
　自称魔法ギルドの最終兵器はだてではないらしい

　さて、そうとは知らないＭＭＭＣ魔法商会の面々は・・・・・

　「あ〜、なんや暇やなぁ」
　「やっぱりぃこういう雪の日にはお客さんも来づらいっていうかぁ」
　「でもでも☆雪の日ってなにかうきうきするでしょ」
　「それはそうや、うちらの地方は滅多に雪がふらへんし」
　「めりっちゃの里はねぇ、冬になるとこんな風に毎日雪が降るって感じでぇ」
　「そだ☆ここにも雪を降らせよ☆」
　「それはええ考えやなぁ」
　「だったら☆まりあの魔法で・・・・・」

　（からんからん）

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　「やったあ☆大成功」
　「？？？なんやしらん、玄関に雪だるまが立ってるで」
　「わぁ、誰が作ったのかなっ☆まるでソーニャ先輩の雪像って感じってぇ」
　「だ！れ！が！せ！つ！ぞ！う！で！す！」
　「わあ☆雪だるまがしゃべった」
　「！！！！！雪だるまじゃありません！！！！！」

　そう、雪まみれになって店先に立っているのは誰あろう
　「法と正義の守護者、魔法ギルドの特別調査官
　　ソーニャ・エセルバード」
　「自分で言ってて恥ずかしくあらへんのか？」
　「それはこっちのセリフです
　　大体なんなんですか、これは」
　「あ〜、ご苦労様やなぁ
　　今日は雪がひどいさかい調査に歩くのも大変やろ
　　まるで雪だるまみたいになるまで降ってるんやなぁ」
　「ここの店の中よりはよっぽど静かですけどね」
　「あはは、言い得て妙や」
　「あなた達には自分のやっていることに対する自覚って言う物があるんですか」

　そんな物を彼女たちに期待する方がよっぽど無茶である

　「あなたも同罪です！
　　大体悪は常に報いを受けるのが当然です
　　それをなんですか、このシリーズは・・・・」
　「せやけど、一度もお客さんから苦情が出たことはないんやけどなぁ
　　みんな満足して帰ってくれはるのに」
　「やっぱりぃめりっちゃって天才だからぁ」
　「ぶう☆まりあも一生懸命やってるもん」
　それに、読者の期待を裏切っちゃ悪いしねぇ
　「・・・・・・言いたいことはそれだけですか？」

　ソーニャの額には小刻みな振動がつづいている
　よっぽど腹に据えかねることを押さえているのであろう

　「ねえねえ☆そんな顔していると小皺がふえちゃうよ、おばちゃん」
　（ぶちっ）
　「だれがおばちゃんですってぇぇぇぇえええええええ」

　”ライトニング・ストリーム”

　説明しよう、ライトニング・ストリームとはライトニングジャベリンと
　ストームエッジを複合させて無差別に周囲を破壊する凶悪無比の魔法である
　最大出力で唱えれば、優に一ブロックを壊滅させる威力を誇る
　そして・・・ソーニャは、今回魔法パワーを無制限に解放していたのだった
　室内でこんな魔法を解放すれば、間違いなく店が吹っ飛ぶことになる

　「はあ、はあ、はぁ・・・・
　　まったく、この連中は・・・・・・」

　やっと落ちついたソーニャが肩で息をする
　きっと店内はぐじゃぐじゃ・・・・・とおもってソーニャが辺りを見回すと

　店内は何事もなかったかのごとく、元のままであった
　ソーニャは知らないことであったが、ＭＭＭＣ魔法商会の店内は
　超合金ショートスペシャルで装甲されている
　さもなければ、とうの昔にこの店はこの世から消滅していたであろう

　「なんや急に非道な魔法をつかってからに
　　それでよう人のことをあしざまに言えるもんや」
　「でもぉめりっちゃに比べたらまだまだかなっ」
　「ぶう☆まりあも頑張ってるもん」

　・・・・・おい、一体なにを比較している・・・・
　それじゃこれよりまだひどいことをやってると言う意味になるぞ

　「まあ、店内ではたしかにこれより凶悪な魔法を使ったことがあるけどな」
　「これよりひどい魔法を使ってるんですかっ！」
　「せやけど、扉はちゃんと閉めてるで」
　「とびら？」

　そう言ってソーニャが振り返ると・・・
　回りが一ブロック消滅していた
　そう、ソーニャは店先に立ったまま魔法を発動したのである
　扉を閉めていないから威力はそのまま店外の方へと抜け出ていたのだった
　・・・・・・・・・・まあ、見なかったことにしておこう

　「そうはいかないっていうかぁ
　　愛の魔法使いめりっちゃと中ボス連が法と正義の味方に
　　鉄槌を下すんだからぁ」

　”ハッピンパラリコズンパラリン”

　めりっちゃが魔法のステッキを一降りすると
　３人は魔法少女そのものの格好になっていた・・・て
　なんだ、元と全然変わってないんじゃないか

　「何をやろうとするのか知らないけど、法と正義は必ず勝利するのよ！」

　「世の中には法と正義よりも大事な物があるんや」
　めりっちゃが魔法の算盤でソーニャを指す
　「愛よっ☆」
　めりっちゃが魔法のステッキを宙にかざす
　「勇気よ☆」
　まりあが魔法のネックレスを宙にかざす
　「うさぎき〜っく！」
　「きゃあっ」

　突然ソーニャの背後に現れたうさみみ少女がソーニャをけっ飛ばす！
　「ボク、うさぎじゃないのに・・・・・」
　安心しろ、バタフライの選手はみんなドルフィンキックを使っているが
　イルカじゃないのと同じだ
　「うんっ（はあと）」
　うさみみ少女って素直だなぁ

　っと、話を元に戻そう

　鉄格子をも破壊するうさぎキックの威力でソーニャが店内へと・・・
　三人が待ちかまえる中心へと飛んでいく

　「必殺、トライアングルアタック！」

　見事に三人がハモると、ソーニャに向かって算盤とステッキとネックレスによる
　必殺の一撃が振り下ろされる
　・・・・・ソーニャは、敗北した

　「な・・なぜ・・・法と正義は何よりも勝るはずなのに・・」
　「せやから、法と正義よりも大事な物があるんや」
　「法と正義よりも大事な物・・・・」
　「・・・・そうや、法と正義も愛と友情の前には・・・」
　「・・ふふふ・・法と正義に勝る物なんてあるわけないでしょ」

　ソーニャは、復活した

　「へ？」
　「ふふふふふ・・・・あなた達の悪行の数々
　　このソーニャ・エセルバードがしっかりとこの目に焼き付けましたからね
　　後は、総本部に帰ってこの顛末を報告書にしたためれば
　　あなた達の魔法免許は取り消し、Mystical Miraclous Magisians Companyも
　　閉店決定よ・・・・・そう、法と正義は必ず最後に勝つのよ！」

　びしっ！
　４人に指を突きつけてソーニャは決めポーズをとる

　（からんからん）

　呆然と見送る４人
　何が起きたのか、否、何が問題なのかさえ理解できずにソーニャを見送るのみ

　こうして、ソーニャによる特別査察は終わった
　だが、まだソーニャは知らないのだ
　魔法ギルドが、すでにショート財閥によって買収されていることを・・・・

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おしまい