月明かりが海を照らし出す
　満天の星はあくまで静かにまたたく
　見渡す限りの大海原
　その海原を駆けてゆく一艘の船
　その船の名は、ティンカーベル

　　　楊雲：・・・・・ご迷惑をおかけしました・・・・
　　カレン：別に船長が謝ることないとおもうんだけど
キャラット：でも、みんな無事でよかったね（はあと）
　　アルザ：あ〜、やっぱ連れてってもろうたらよかったわ
　　　　　　なんやめっちゃ楽しそうなとこやないか
　　カレン：もう、アルザちゃんわがまま言わないの
　　ティナ：あの・・・怪我をされている方は・・・
　　　リラ：あ、大丈夫大丈夫、みんなかすり傷だから
　　　若葉：それはいけませんっ！かすり傷でもちゃんと手当をしないと
　　　　　　後で腐ることもあると兄がもうしておりました
　　　リラ：応急処置ぐらいしてあるわよ
　フィリー：あんたらねぇ、か弱い妖精とごついお姉ちゃんを一緒にしないでくれる
　　　リラ：誰がごつい姉ちゃんよ
　フィリー：私よりは頑丈じゃないの
　　リリト：こいつらはいつもこうなのか？
　　　若葉：はいっ（ほにゃ☆）
　　　リラ：あ〜あ、それにしてもこれで二度とこっちには帰れなく
　　　　　　なっちゃったわねぇ
　　リリト：私の首を取らないからだ
キャラット：そんな・・・・悲しいこと言わないでよ
　　リリト：・・・冗談だ、心配しなくていい
　　カレン：リリトちゃん、ちょっとキャラットちゃんには
　　　　　　どぎつかったわよ
　　リリト：・・・済まなかったな
　　　リラ：ところで、メイヤーはなにやってるの？
　　カレン：メイヤーちゃんは機関室にいるはずよ
ウェンディ：・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
　フィリー：ちょっとあんた、なにぼさっと立ってるのよ
ウェンディ：・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
　フィリー：あんたねぇ、人がせっかく助けに来てくれたんだから
　　　　　　ありがとうとか、ご迷惑をおかけしましたとか
　　　　　　何か言う事があるでしょ
ウェンディ：・・・・・・・・・・・・どうして、みんなこんな事をするんですか
　　　リラ：ちょっと、どういう意味よ
ウェンディ：・・・なんで、私なんかのためにこんな危険なことをするんですか？
　　　リラ：だれもあんたのために何かしたわけじゃないわよ
　　　　　　ただ、仲間を見殺しにしたら寝覚めが悪いじゃない
ウェンディ：・・・・・・仲間？何の役にも立たない私が仲間なんですか？？
キャラット：そんな・・・ボクだって足手まといになってるのに・・・
　　カレン：あ〜あ、キャラットちゃん泣かしたらだめじゃない
　　アルザ：別に役にたたんでええやないか
　　　　　　同じ釜の飯を食うたらそれで仲間や
　　　若葉：あの・・・仲間というのは、役に立つ物なんでしょうか？

　一同、これには面食らう

　　　若葉：はい、父上はいつも申しておりました
　　　　　　『仲間というのは所詮足手まといに過ぎない
　　　　　　　だが、仲間を持たぬ者は生きているとは言わぬ』と
　　リリト：それはいえるのはおまえの父ぐらいのものだ
　　　若葉：そうなのですか？
　　ティナ：・・・あの、夜も更けてきましたし、そろそろ眠った方が・・・・・
　　カレン：そうねぇ、今日はいろいろあったし、おね〜さんもつかれちゃった
キャラット：じゃ、お休みなさい
　　　リラ：あたしも寝かせてもらうわよ、船長後お願いね
　　　楊雲：・・・・・お休みなさい・・・・・
　　カレン：リリトちゃんも眠っていいわよ
　　リリト：・・・・そうだな
　　　若葉：では、私が案内いたします
　　リリト：済まないな

　あえてなにも言うまい

　　ティナ：では、お休みなさいませ
　　カレン：お休み、ティナちゃん
　　　　　　さてと、船長とおね〜さんとどっちが見張りにつくの
　　　楊雲：・・・・・どうぞ休んでください・・・
　　カレン：じゃ、言葉に甘えさせてもらうわね

　こうして、甲板上に残ったのは二人だけとなった

ウェンディ：・・・・・・・・・・・・・・・
　　　楊雲：・・・・ウェンディさん・・・・
ウェンディ：・・・・・なんですか？
　　　楊雲：・・・・・申し訳有りませんでした・・・
　　　　　　・・私が、もう少し気をつけていればよかったのですが・・
ウェンディ：・・・・・別にそれはいいんです
　　　　　　・・・・・・それで・・あの、・・・・
　　　楊雲：・・・・・・・なんでしょう・・・・
ウェンディ：・・・・・・・ありがとうございました
　　　楊雲：・・・・・・・・・・・・・どういたしまして
ウェンディ：・・・・・・・・・・・あの・・・・
　　　楊雲：・・・・・・・・・・・・・なんでしょう
ウェンディ：・・・・どうして、私をこの船に？
　　　楊雲：・・・・申し訳有りません・・・・
　　　　　　・・・・・危険な場所にあなたを巻き込んでしまいまいした・・
ウェンディ：・・・いえ、その・・・・
　　　楊雲：・・・・・・・もし、元の世界に戻りたいのでしたら・・・
ウェンディ：あの、そうじゃないんです
　　　　　　・・その・・・・・ありがとうございます、その・・私なんかを
　　　　　　・・・この船に乗せていただいて・・・
　　　楊雲：・・・・・どういたしまして・・・・

　ティンカーベルは西へ向けてひた走る
　行く手に待ち受けるのは新世界、古代の神秘の眠る場所
　そこにあるのは希望か、それとも・・・・

　・・・・・仲間だから・・・仲間って・・・いいものですね

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　第一部　完