メイヤー、確か２０ｋｇの荷物を持って歩いていたと思ったが？ 　どうやら、集中して荷物のことさえ忘れているようだ 　さて、メイヤー達が・・・いや、キャラットが観光を楽しんでいるころ 　バレンシアの貸倉庫では、ティンカーベルを見張っている人物がいた 　　リリト：・・・・まだ、動かないな 　オーガＡ：リリト様、この際夜が来たら一気に乗り込みましょう 　　　　　　その方が・・・ 　　リリト：それで、騒ぎを起こしてお縄頂戴か 　　　　　　意見などしなくていい 　　　　　　どうせ、おまえに知恵など無い 　オーガＡ：・・・・・・ オオカミＡ：リリト様、言いつけの場所、見つけてまいりました 　　リリト：よし、オーガＡ、ティンカーベルを見張っていろ 　　　　　　オーガＢ、オーガＣは私についてこい 　　　　　　オオカミＡ、案内しろ 　　　　　　オオカミＢ、ティンカーベルから下船する人物がいたなら 　　　　　　直ちに報告しろ 　　　　　　私の行き先は、オオカミＡから聞いておけ 　　　一同：かしこまりました、リリト様 　　リリト：・・・足止めすれば十分か 　　　　　　私も、安く見られているものだな・・・・ 　さて、一応、気は進まないが、この御仁についても 　一言だけは言っておく必要があるだろう 　　カイル：・・・日が落ちる前にはたどり着けたようだな 　チャンプ：で、これからどうされます？キャプテン 　　カイル：決まっている、補給を行ってから、バレンシア沖で 　　　　　　ティンカーベルを襲う 　チャンプ：しかし、今度どちらに向かうかは分からないのでは？ 　　カイル：抜かりはない 　　　　　　上陸したら、俺様がバレンシアに行って調べてやる 　　　　　　おまえ達は、俺様の合図で襲撃しろ 　確かに、おまえがいない方が強いだろう 　　カイル：ん？誰か何か言ったか？ 　チャンプ：おまえの空耳だろう 　　カイル：おまえ？ 　チャンプ：ほら、空耳が聞こえているではないか、キャプテン 　なんか、見てて情けなくなってきたな 　さて、時間を進めよう 　夕暮れ時、紅に染まる港、 　舞台はもちろん、ティンカーベル キャラット：ただいま（はあと） 　　　楊雲：・・・・おかえりなさい・・・・・ 　　カレン：ねえ、今晩は全員で上陸しない？ 　　　リラ：やめといた方がいいんじゃない？ 　　　　　　相手が相手よ 　　カレン：そうねぇ、でも、せっかくバレンシアに来たんだから 　　　　　　みんなで上陸したいわ 　メイヤー：・・・・・私はここに残りますよ 　　　　　　もう少しで、アトランティスの謎が解けそうなんです 　　　　　　この、ペンダントの紋章と、今日買ってきた 　　　　　　資料とを付き合わせますと・・・ 　　　リラ：メイヤー、誰も聞いてないんだから話しても無駄よ 　メイヤー：では、私は研究室へ行ってます 　　　　　　・・・・どうして、皆さん古代の神秘について・・・ 　　カレン：でも、明日の朝には出航するんでしょう？ 　　　楊雲：・・・その予定です・・・ 　　　リラ：港についたら、一回は上陸しておくものよ 　　　　　　いったん海に出たら、いつ陸に帰れるか分からないんだから 　　ティナ：私は、特に行きたいところはありませんけど 　　アルザ：なあ、晩御飯まだかいな 　　　リラ：あんたといると、なんか緊張感が抜けるのよね 　　アルザ：緊張してたかて、なーんもええことあらへんがな 　　ティナ：でしたら、今から晩御飯を作りましょうか？ 　　カレン：いいわよ、ティナちゃん、アルザちゃんと一緒に 　　　　　　上陸して、食べてきなさい 　　ティナ：でも、残る方もいらっしゃるようですし 　　カレン：私が作るわよ、そのくらいは 　　　リラ：はい、決まりね 　　　　　　船長、それで良いわね？ 　　　楊雲：・・・・・若葉さんはそれでよいのですか・・・・ 　　　若葉：はい、ご一緒いたします☆ 　フィリー：あたしも一緒に行って良いでしょ 　　カレン：フィリーちゃんも行ってらっしゃい 　え？主役はどうしたって？ ウェンディ：・・・・・・・・・ 　夕暮れの港を見ながら、一人たそがれている 　でも、今は、そっとしておいてあげよう 　今日一日、彼女にはとても多くのことあったのだから 　そう、多分普段の彼女にとっては、一ヶ月に起きること以上の出来事が 　さて、結局上陸するのは、楊雲、ティナ、若葉、アルザの４人 　フィリー：私もいるんだけど 　と、おまけの妖精が一人 　さてと、場面はまたまた変わってバレンシアの繁華街 　日はすでに落ちている 　　リリト：・・・・ オオカミＡ：リリト様、やはり無理があったのでは 　　　　　　連中が必ずここを通るとは限らないわけですし・・・ 　　リリト：いいから、黙ってみていろ オオカミＢ：リリト様、ティンカーベルから４人ほど降りてきました 　　リリト：・・・で、その中にピンクのリボンとピンクの袴の人物はいたか？ オオカミＢ：はい、おりました、リリト様 　　リリト：オーガーＢ、馬車の準備をしろ 　　　　　　いいな、私が合図をしたら、すぐに馬車をだすんだぞ オーガーＢ：かしこまりました 　さて、こちらは街を歩く４人 　フィリー：私を無視するつもり(-_-)ﾒ 　フィリーは、歩いていないから員数外 　フィリー：あはは、そういうギャグね（笑） 　　　　　　限りなくローセンスだわ(-_-) 　う、真実が胸に突き刺さる 　でも、余談はここまで 　フィリー：こっちよ、こっち 　　　若葉：はい、こちらですね☆ 　フィリー：だから、逆だって言うの 　　アルザ：筋金入りの方向音痴やな 　　　楊雲：・・・皆さん、伏せて下さい・・・・ 　　ティナ：え？ 　がらがらがらがらがらがらがらがら 　道の中を馬車が暴走していく 　だからといって、なにも伏せる必要はないと思うのだが 　　リリト：とまれ！ 　物陰から、素早くリリトが飛び出す 　リリトは若葉を抱えあげると素早く馬車に飛び乗る 　　リリト：行け！ オーガーＢ：ハイヤー！！！ 　再び、馬車が猛スピードで走り去っていく 　その間、誰も動けなかった・・・ 　　　楊雲：・・・・私のミスですね・・・・・・ 　　ティナ：なにも、船長の間違いではないと思います 　　アルザ：せや、あんなの予測つく方がおかしいで 　　　楊雲：・・・・予測はついていたのに・・・・ 　フィリー：あんた、なにロクサーヌみたいな事言ってるのよ 　　　　　　すぐに後をおわなきゃ 　　　楊雲：・・・・やめておいた方がいいでしょう・・・・ 　　アルザ：そりゃ、えらいこと冷たいんとちゃうか？ 　　　楊雲：・・・・それほど、遠くには行かないはずです・・・・ 　フィリー：また、えらく強気ねぇ 　　　楊雲：・・・・私には、分かるのです・・・・・ 　フィリー：あんた、いつからロクサーヌになったのよ 　ぽろろん ロクサーヌ：呼びましたか？ 　フィリー：ロクサーヌ！一体いつからいたのよ ロクサーヌ：いや、私の噂をしていたようでしたから 　　ティナ：耳が良いんですね 　　アルザ：大した地獄耳やなぁ 　フィリー：それよりロクサーヌ、あんた、若葉がさらわれたんだけど 　　　　　　行き先知らない？ ロクサーヌ：いくら私でも、そこまで分かるわけが無いじゃありませんか 　　ティナ：それはそうですよね ロクサーヌ：ただ・・・ 　　　楊雲：・・・・・反対側にも、馬車が止まっていました・・・・ ロクサーヌ：おや、お解りでしたか 　　アルザ：どうゆうことや？ 　フィリー：？？？ 　　ティナ：もしかして、反対側の馬車にすぐ飛び移った？ 　　　楊雲：・・・・・そう考えるのが自然です・・・・ 　フィリー：ああ、もう、何で知っているんなら教えてくれないのよ 　　ティナ：フィリーさん、なにもそこまで・・・ 　　　楊雲：・・・・・それでも、遠くには、行っていないでしょう・・ 　フィリー：だから、どうしてそこまで断言できるのよ 　　　楊雲：・・・・馬車はめだちます・・・・・・・ 　　アルザ：うち、あたまが痛くなってきたわ 　　　楊雲：・・・ティンカーベルに戻りましょう・・・・ 　　ティナ：船長さん！？ 　　　楊雲：・・・・おそらく、手がかりはそこにあるはずです・・・ ロクサーヌ：おやおや、楊雲さんには私の助言は必要ありませんか 　フィリー：・・・え？ ロクサーヌ：では、私は行くところがあるのでこれで 　ぽろろん 　　　楊雲：・・・・みなさん、行きますよ・・・・ 　フィリー：一体どういうことなのよ！ 　さて、舞台はリリトの借りている貸倉庫 　後ろ手に縛られている若葉が転がされている 　　リリト：ふん、他愛もない オーガーＡ：さすがはリリト様 　　リリト：浮かれるな 　　　　　　ここからが本番だ 　　　　　　必ず、奴等は船を空けて捜索に入る 　　　　　　そのときこそ、ティンカーベルを奪う オオカミＢ：しかし、リリト様 　　　　　　なぜ、ピンクのリボンを狙ったのです？ 　　リリト：一番弱いところだからだ 　若葉は、リリトによって気絶させられている 　バレンシアは、巨大な港町 　倉庫のひとつが丸ごとアジトであっても、誰も気がつかないだろう 　　リリト：・・・・方向音痴の航海士 　　　　　　よく、こんなものを雇う気になったものだ 　私もそう思うぞ 　　リリト：カレンだの、リラだのが、どうしてこんな情けない連中に肩入れするのか オーガーＡ：リリト様、ティンカーベルに人が戻っていきます 　　リリト：戻るのが早過ぎる・・・・・・ 　　　　　　だが、ここが見つけられるものか 　　　　　　どうせ、人数を集めに行ったに決まっている 　　　　　　それと、港湾当局に捜索を願い出にだ 　　　　　　だが、倉庫をひとつづつ虱潰しにしたところで 　　　　　　たかが、人間一人、見つけられるものか 　さて、見つけられるのだろうか？ 　舞台は、再びティンカーベルに戻る 　　　リラ：どうしたの、えらくはやく帰ってきたもんね 　　　楊雲：・・・・・リリトにやられました・・・・ 　　　リラ：あんたら、なにぼんやりしてたのよ 　　ティナ：すいません 　フィリー：謝ることなんか無いわよ 　　　リラ：で、どうするの、手がかりでもあるっての？ 　　　楊雲：・・・・・少し、手伝ってもらえませんか・・・・ 　　　リラ：なにをするつもり 　　　楊雲：・・・・この近くに、二輪馬車が来ませんでしたか？・・・ キャラット：えっとねえ、馬車だったらたくさん来たよ（はあと） 　　　リラ：そうよ、手がかりになるわけ無いじゃない 　　　楊雲：・・・・ついさっき来たはずです・・・・・ キャラット：さっきはないよね 　　　楊雲：・・でしたら、 　　　　　　この近くの倉庫で日が暮れてから扉を開けたのはありませんか・・・ 　　　リラ：だから、何でこの近くの倉庫だって思うわけ？ 　　　楊雲：・・・・馬車を使いました・・・・・ 　　　リラ：どういうことよ、馬車ぐらい使うでしょ 　　　楊雲：・・・少なくとも、私たちがいつそこを通るか知っていなければ 　　　　　　あのようなさらい方は出来ません・・・・ 　　ティナ：確かに、私もそうだと思います 　　　リラ：はあ？ 　　　楊雲：どこかで、見張っていたはずなのです 　　　リラ：そんなの、どこで見張ったって良いじゃない 　　　楊雲：・・・・あなたが、人をさらうために見張るとしたら 　　　　　　どこで見張りますか・・・・・ 　　　リラ：そりゃ、確実に相手が通る場所で見張るわね 　　　楊雲：・・・・そういうことです・・・・ 　　　リラ：！！！！！！！ 　　　　　　でも、だからといって、今、いるとは限らないわよ 　　　楊雲：・・・・灯台は、足元が暗いものです・・・・ 　　　リラ：でも、どの倉庫がどうだったかなんて、見てないわよ ウェンディ：あの・・・・・ 　え？ ウェンディ：あの、ちょっと前にあそこの 　　　　　　１９番倉庫に入っていく人影がありましたけど 　　　リラ：本当でしょうね？ ウェンディ：・・・そうですよね、どうせ私の言うことなんて・・・ 　　ティナ：私は信じます、ウェンディさん 　　　楊雲：・・・・・フィリーさん、カレンさんを呼んできて下さい・・・ 　フィリー：分かったわ 　　　リラ：ちょっと、本当にやるつもり？ 　　　楊雲：・・・・当然のことです・・・・ 　　　リラ：じゃ、あたしもいくわ、 　　　　　　鍵がかかってるでしょうからね、どうせ キャラット：じゃあ、ボクも・・・ 　　　リラ：あんたはお留守番 キャラット：ボク、いつもお留守番ばっかりのような 　　　リラ：今度ばかりは、遊びじゃないのよ 　　　　　　船長も残って頂戴 　　　　　　私と、副長・・・いや、カレンとだけでやるわ 　　　　　　こういうのは、人数が少ない方がいいのよ 　　　楊雲：・・・・では、まかせます・・・・ 　　カレン：ちょっと、フィリーちゃんから聞いたわよ 　　　　　　大変なことになっちゃったわねぇ 　　　　　　・・・・おねーさんを怒らせると、怖いわよ