・・・・ずっと昔には、誕生日を祝ってもらったこともあったっけ・・・・ 　　カレン：どうしたの、ウェンディちゃん ウェンディ：・・・別に、何でもないです 　　カレン：そう？ 　　　　　　なんだかぼんやりしているみたいだったから 　　　　　　疲れたなら、下で休んでていいわよ ウェンディ：いえ、平気です 　　カレン：それなら良いんだけど 　そうこう言っている間に手品のように料理が消えていく 　もちろん、アルザはんが食べているのだが 　　アルザ：なあ、あんたら食べへんのか？ 　　　リラ：あんたが食べすぎなの！ 　　アルザ：せやから、料理がすくないんやないかて言うたやんか キャラット：ねえリラ、これからこの船どこにいくの？ 　　　リラ：バレンシアよ キャラット：それから？ 　　　リラ：それからのことは船長にでも聞いて 　　　　　　あたしは知らないのよ キャラット：そうなの、ねえ船長、この船どこにいくの？ 　　　楊雲：・・・・・古代の神秘を探しに・・・・ キャラット：古代の神秘って？ 　メイヤー：よくぞ聞いてくれました 　　　　　　そもそも、このティンカーベルはアレクサンドリアの・・・ 　　　リラ：あ、長い話はパス 　　　　　　１００字以内にまとめて話して 　メイヤー：しかし、一から詳しく説明しませんと 　　　リラ：聞きたく無いっていってんのよ！ 　メイヤー：わかりました、では簡潔に説明いたします 　　　　　　古代エジプトのオシリス神話はご存じですね？ 　　　　　　このオシリスの故郷を探すのがこの船の目的なのです 　　　　　　さて、なぜオシリスの・・・・ 　　　リラ：それは良いって 　　　　　　で、カリアリに何があるの？ 　　　　　　エジプトの神話なら、エジプトに行けばいいじゃない 　メイヤー：調査の費用がサルジニア王家より支出されたのです 　　　　　　このため、発掘品の大半はサルジニアに移送されました 　　　　　　もっとも、いくつかの発掘品は手元に残しましたが 　　　リラ：手元に残しましたって、まるで発掘に行ったみたいな言い方ね 　メイヤー：私が組織した調査隊ですから 　　　　　　そもそも、何故この調査を思いついたかともうしますと・・・ 　　　リラ：だから、核心だけ話してよ 　　　　　　カリアリに行って何をするつもりなの 　メイヤー：発掘品の中に、紋章付のペンダントがあるはずなのです 　　　　　　これを調査することによって、オシリスの故郷への手がかりが 　　　　　　つかめるはずなのです 　　　リラ：だったら、何でこんな船がいるのよ 　　　　　　ちょっと見せてもらいに行けばいいじゃない 　　　　　　船なんか作らずに 　メイヤー：・・・・・オシリスの力は、列強の均衡を崩すに十分なのです 　　　　　　この船の能力はごらんになりましたね 　　　　　　この船は、オシリスの乗ってきた船”太陽の船”なのです 　　　　　　・・・・正確には、その復元のための実験船と言ったところでしょうか 　　　リラ：はあ？あんたバカじゃないの 　　　　　　１００００年以上も前にこんな船が造れるわけが・・・・ 　メイヤー：では、今これだけの能力のある船が造れますか？ 　　　リラ：・・・・・・・・ 　そう、風の力を使わずに走る船など作れるわけがない 　３０ノットを超える速力を持つ船など作れるわけがない 　メイヤー：現実に、この船は現在の技術水準を遥かに超えた 　　　　　　能力を持っています 　　　　　　この船の装備の大半は私の手元に残した古文書の解読から 　　　　　　えられたものなのです 　　　　　　そして・・・・・ 　　アルザ：・・・ぐう・・・・ 　　カレン：あらあら、アルザちゃんこのまま寝たら風邪引くわよ 　　アルザ：うち、難しい話を聞くと寝てしまうねん 　　　　　　料理ももうあらへんし 　ありゃ、確かにもう無いわ 　さすがに食べるのが早いなぁ 　　　楊雲：・・・・イルミネーションは消しましょう・・・・ 　　　若葉：そんな、きれいですのに 　　　楊雲：・・・・めだちます・・・・・ 　　カレン：そうね、確かにその方がいいかもね 　　　　　　どうやら、料理もみんな食べちゃったみたいだし 　　　　　　さあ、後かたづけに入りましょ 　　　リラ：あたし、あんまり食べてない 　　アルザ：話し込んでるからや 　　　リラ：あんたがいわないの！ 　それは一理ある 　　カレン：ウェンディちゃんも手伝ってね ウェンディ：あ、はい 　メイヤー：アルザさん、そこの紐をほどいて下さい 　　アルザ：これをほどけばいいんやな 　　　若葉：あの、私は何をすればよいでしょうか 　　カレン：じゃあ、コップと皿を炊事場まで運んで 　　　若葉：はい 　フィリー：私も付いて行くわ 　　　若葉：いえ、私一人で十分ですから 　フィリー：・・・たどり着けないんじゃないかっていってんのよ 　　　　　　大体、海図室から甲板に上がってくるのに１時間かかったでしょうか 　　　若葉：そうでしたかしら 　フィリー：そうだった、のよ 　　　　　　誰がなんと言おうと、一緒に行きますからね 　　　若葉：ありがとうございます、フィリーさん 　　　　　　このご恩は一生忘れません 　フィリー：三歩歩くうちに忘れるくせに 　　　若葉：なにか？ 　フィリー：ううん、こっちの話、さあいこ 　うん、今度は道に迷うまい 　　カレン：ウェンディちゃん、一緒に来て ウェンディ：え、どうして・・・ 　　カレン：まだ、ウェンディちゃんの船室がどこか説明してなかったから ウェンディ：・・・・・・ 　　カレン：ほら、ウェンディちゃん行くわよ ウェンディ：はい 　　　リラ：船長、当直は誰がするの？ 　　　楊雲：・・・４時間ほど碇を降ろして、その後は私がやります・・・ 　　　リラ：ふーん、わかったわ 　　　　　　じゃあ、４時間後に碇を上げるわね 　　　　　　キャラット、仕事よ！ キャラット：はーい 　夜は更けていく