メイヤー：ようこそ、調査船、ティンカーベルへ
ウェンディ：・・・・ここは？
　メイヤー：だから、調査船、ティンカーベルです
ウェンディ：・・・・？？？・・・・
　メイヤー：おや？何も説明聞かずに乗船されたんですか？
ウェンディ：そんな・・・私・・、確か屋根裏部屋でアンディの服を・・・
　メイヤー：・・・・？？？？、一体何を言っておられるんですか？
　　　　　　さっきタラップを上って来られたばかりじゃありませんか
ウェンディ：え？
　メイヤー：ああ、すいません、自己紹介が遅れました
　　　　　　私は・・・
　フィリー：エセ考古学者のメイヤー・ステイシアでしょ
　メイヤー：失礼な！
　　　　　　私は自称歴史探求家のメイヤー・ステイシアです
　　　　　　それに、ちゃんと博士号も取っているんですよ
　　　　　　この船には博物学者として乗船しています
ウェンディ：・・・・・私をからかって楽しいですか？
　メイヤー：・・・？？？・・・・
　　　　　　誰もからかってませんよ
　　　　　　この船は調査船、ティンカーベルで・・・

　ゴトン、ガラガラガラガラ

　？？？　：船長、出航準備完了！
　　？？　：・・・・・出航します
　　？？　：やっと、海に出るのですね（ほにゃっ☆）
　？？？　：もやい綱とけ！

　ロープが解かれると船は静かに岸壁を離れる
　威勢良く号令をかけていた女性がこちらに近づく

　　カレン：あら、あなたが最後の乗員なのね
　　　　　　私は、副長のカレン・レカキス
　　　　　　カレンって呼んで
　　　　　　ねえ、あなたの名前は？
ウェンディ：え、私ですか？
　　　　　　私の名前はウェンディ・ミゼリア
　　カレン：ふーん、ウェンディっていうんだ
　　　　　　これからよろしくね、ウェンディちゃん
　　　　　　そうそう、ウェンディちゃんちょっとついてきて
　　　　　　みんなに紹介するから
ウェンディ：ちょっと待ってください！
　　カレン：・・・・？？？
　　　　　　どうしたの、ウェンディちゃん
ウェンディ：わたし、どうしてこの船に乗っているんです？
　　　　　　私は、屋根裏部屋で・・・
　メイヤー：カレンさん、この人屋根裏部屋にいたって言うんです
　　　　　　あなたも見ていたでしょう、この人・・
　　　　　　ウェンディさんでしたっけ
　　　　　　ウェンディさんがタラップを上ってくるのを
ウェンディ：私は・・・

　（ぽろろん）

　フィリー：ロクサーヌ！
　　　　　　あんた、どこほっつき歩いてたのよ
　　　　　　こっちは大変なんだから
ロクサーヌ：これはすいません
　　　　　　ちょっと用事があったものですから
　フィリー：すいませんじゃないわよ
　　　　　　いま、何が起きているのか説明するのに
　　　　　　苦労しているんだから
ウェンディ：あなた、私に一体何をしたんです
ロクサーヌ：だから、ちょっとした船旅を、と思いまして
ウェンディ：目を閉じて三つ数えたら船旅？
　　　　　　一体・・・

　ここで、言葉を止める

　・・・私は、確かに屋根裏部屋にいた
　アンディの服を繕ってた
　そしたら、ぬいぐるみがいきなりしゃべり出して・・・・・・

　・・・そうね、これは夢なんだわ
　だったら、何が起きても不思議じゃ・・・

ロクサーヌ：これは、夢ではありませんよ
　　　　　　この船は、現実の船
　　　　　　この風は、現実の風
　　　　　　そして、この旅は現実の船旅なのです

　・・・・・これも、夢の中の出来事なんだわ・・・

　　カレン：話は終わった？
　　　　　　じゃあ、ウェンディちゃん、付いてきて
　　　　　　みんなを紹介するわよ
　　　　　　メイヤー、自己紹介は終わった？
　メイヤー：一応は終わりました
　　カレン：じゃ、みんなのところにいかなくっちゃ
　　　　　　ウェンディちゃん、いくわよ
ウェンディ：はい
　メイヤー：私は、研究室に行ってますね

　・・・どうせ、夢だもの、何が起きたって不思議じゃないわ・・・

　ウェンディは、カレンの後に付いていく
　だんだん、足どりがしっかりしてくる

　残ったのはふたり

　フィリー：ちょっと、ロクサーヌ！
ロクサーヌ：なんですか？フィリー
　フィリー：あのこ、夢だと信じちゃってるわよ
　　　　　　どうするのよ、一体
ロクサーヌ：まあまあ、それはそれでいいじゃありませんか
　　　　　　ちゃんと、人数は揃いましたし
　　　　　　どちらでも同じ事です
　　　　　　大事なことは、この船に乗っているということでしょう？
　フィリー：それって、かなり無責任じゃない？
ロクサーヌ：フィリー、あなたと私のつきあいは十分長いと思っていましたが？
　フィリー：・・・・そうよね、あんた、昔からそうだったわね

　フィリー、仕方が無いじゃないか

　だって、ロクサーヌだもん