僕は、マグストラタム学園に通う特待生。
そして、今でも落第寸前の落ちこぼれだ。
なにしろ、ついこの前まで、召喚学科に通ってるにもかかわらず
一切召喚が出来なかったんだから仕方がない。
そして、今でも落第寸前の落ちこぼれだ。
なにしろ、ついこの前まで、召喚学科に通ってるにもかかわらず
一切召喚が出来なかったんだから仕方がない。
今は、違うよ。
このケータイデンワのおかげで、僕もB級ライセンスを持った
召喚術師の一員だ。
もっとも、B級の中でも、最低ランクのB級には違いない。
何しろ呼び出せる召喚獣は５体だけ。しかもそれが
全部知的召喚獣なんだから。
このケータイデンワのおかげで、僕もB級ライセンスを持った
召喚術師の一員だ。
もっとも、B級の中でも、最低ランクのB級には違いない。
何しろ呼び出せる召喚獣は５体だけ。しかもそれが
全部知的召喚獣なんだから。
まどか：マスター。説明的な台詞は終わりましたか。
マスター：うん、一応ね。
卯月：じゃあ、次の追試に向けてレッツゴー！
マキ：卯月聞いてないんですか。ここしばらく、追試はお休みだそうです。
卯月：えー。始めて聞いたよ。なんで？マスター、もう単位全部とったの。
マスター：違うよ卯月。単位は足りてないんだけど、軍の要請があったんだ。
晶：おかしな話ですね。マスターは軍にコネがありましたか。
マスター：いやだから、そういう問題じゃなくって…
結：軍の要請で、学園が臨戦待機状態になったということですね。
マスター：うん、一応ね。
卯月：じゃあ、次の追試に向けてレッツゴー！
マキ：卯月聞いてないんですか。ここしばらく、追試はお休みだそうです。
卯月：えー。始めて聞いたよ。なんで？マスター、もう単位全部とったの。
マスター：違うよ卯月。単位は足りてないんだけど、軍の要請があったんだ。
晶：おかしな話ですね。マスターは軍にコネがありましたか。
マスター：いやだから、そういう問題じゃなくって…
結：軍の要請で、学園が臨戦待機状態になったということですね。
マスター：うん、結の言うとおり。
僕が契約している召喚獣５人には、これで説明は十分なはずだけど
一応説明的な台詞を追加しておこうかな。
一応説明的な台詞を追加しておこうかな。
マストラダム学園は、軍に魔導師を供給する、軍の教育機関という
側面を持っている。だから、軍の作戦の必要がある場合
学徒動員という最終手段が実行されることもあるんだ。
側面を持っている。だから、軍の作戦の必要がある場合
学徒動員という最終手段が実行されることもあるんだ。
もちろん、学生を戦場に送るなんていうのは最終手段で
覇権戦争１００年の歴史の中でも、そんな状況に陥ったことはない。
だから、臨戦態勢といっても、あくまで生徒の任務は、戦場に動員された
一般魔導師の代わりに、街や後方の仕事のお手伝い、ってことになる。
軍がそのための要員を出すように、って言ってくる場合に備えて
生徒の課業を減らして、いつでも軍の要請に応えられるようにしておくこと。
それが、臨戦待機状態になった、って意味だ。
覇権戦争１００年の歴史の中でも、そんな状況に陥ったことはない。
だから、臨戦態勢といっても、あくまで生徒の任務は、戦場に動員された
一般魔導師の代わりに、街や後方の仕事のお手伝い、ってことになる。
軍がそのための要員を出すように、って言ってくる場合に備えて
生徒の課業を減らして、いつでも軍の要請に応えられるようにしておくこと。
それが、臨戦待機状態になった、って意味だ。
まどか：ですけどマスター。最近、魔族との戦いは、むしろ減ってるんですよね。
マスター：そうだよまどか。校内でも、今回の待機命令はいぶかしむ声が出てる。
晶：あまいわねあんたら。こういうのは嵐の前の静けさっていうのよ。
マキ：そうですね。魔族側が、何か大きな事をしないと、いいですね。
結：こちら側が大きな事を企んで、準備してる、という可能性もありますよ。
卯月：どうかなあ？ボクが街を見てる限りだと、少しも買いだめしてるようには見えないよ。
晶：卯月にしてはいい着眼点ね。
結：姉さん、どういうことなんです？
晶：こちらから大きく出るには、補給をためる必要があるって事。
マスター：腹が減っては、っていうだろ。魔族軍に攻め込むつもりなら…
まどか：食料を含めて、大規模な補給の集積が必要、ってことですね。
晶：そういうことよ。
卯月：じゃあ、やっぱり戦争も終わるのかな。
マスター：終わるといいなあ。…召喚術師になっても、戦争じゃね…。
マキ：マスターは、親の敵とか、そういうのは考えないんですか。
マスター：僕の両親は戦死したわけじゃないし、個人的に魔族に怨みがあるわけじゃないよ。
ルテジア：やー少年、ちゃんと勉学してる？
マスター：ルテジアさん！一体なんで学校に？
ルテジア：そりゃ決まってるでしょ。可愛い弟の顔を見にきたのよ。
マスター：実の兄弟でもなければ、義理の兄弟でもないです。
ルテジア：悲しいことを言うな少年。姉弟同様に育った仲じゃない。
マスター：そりゃそうですけど…で、本当はどういう用事なんですか？
ルテジア：ま、ちょっと、ビルギエッタんとこへ、触媒の材料なんかの納入にね。
マスター：仕事なんですね。
ルテジア：ま、そういうこと。商売は終わったから、しばらく遊んでから帰るわ。
結：でしたら、お茶でもいかがでしょう。
マスター：そうしたいのはやまやまだけど、もうすぐ授業だよ。
マキ：あら、残念ですね。
まどか：では、マスター。
卯月：いってらっしゃ〜い。
マスター：みんなも一緒に来るの！
卯月：えーなんでー。普通の講義なんでしょ。召喚獣いらないじゃない。
マスター：普通の講義、の予定だったんだけど、ビルギエッタ先生に呼ばれてるんだよ。
まどか：あれ？授業の差し替えですか。
マスター：うん。召喚学科は、実技優先の科目だからね。
マキ：マスターって、座学関係は無駄に成績がいいですから。
マスター：無駄にっていわないでよ。
ルテジア：ほらほら、無駄に話をここでしていていいの。さっと先生の所へ行ってきたら。
マスター：あ、そうだった。すぐに行かなきゃ。
卯月：ごーごー。
マスター：そうだよまどか。校内でも、今回の待機命令はいぶかしむ声が出てる。
晶：あまいわねあんたら。こういうのは嵐の前の静けさっていうのよ。
マキ：そうですね。魔族側が、何か大きな事をしないと、いいですね。
結：こちら側が大きな事を企んで、準備してる、という可能性もありますよ。
卯月：どうかなあ？ボクが街を見てる限りだと、少しも買いだめしてるようには見えないよ。
晶：卯月にしてはいい着眼点ね。
結：姉さん、どういうことなんです？
晶：こちらから大きく出るには、補給をためる必要があるって事。
マスター：腹が減っては、っていうだろ。魔族軍に攻め込むつもりなら…
まどか：食料を含めて、大規模な補給の集積が必要、ってことですね。
晶：そういうことよ。
卯月：じゃあ、やっぱり戦争も終わるのかな。
マスター：終わるといいなあ。…召喚術師になっても、戦争じゃね…。
マキ：マスターは、親の敵とか、そういうのは考えないんですか。
マスター：僕の両親は戦死したわけじゃないし、個人的に魔族に怨みがあるわけじゃないよ。
ルテジア：やー少年、ちゃんと勉学してる？
マスター：ルテジアさん！一体なんで学校に？
ルテジア：そりゃ決まってるでしょ。可愛い弟の顔を見にきたのよ。
マスター：実の兄弟でもなければ、義理の兄弟でもないです。
ルテジア：悲しいことを言うな少年。姉弟同様に育った仲じゃない。
マスター：そりゃそうですけど…で、本当はどういう用事なんですか？
ルテジア：ま、ちょっと、ビルギエッタんとこへ、触媒の材料なんかの納入にね。
マスター：仕事なんですね。
ルテジア：ま、そういうこと。商売は終わったから、しばらく遊んでから帰るわ。
結：でしたら、お茶でもいかがでしょう。
マスター：そうしたいのはやまやまだけど、もうすぐ授業だよ。
マキ：あら、残念ですね。
まどか：では、マスター。
卯月：いってらっしゃ〜い。
マスター：みんなも一緒に来るの！
卯月：えーなんでー。普通の講義なんでしょ。召喚獣いらないじゃない。
マスター：普通の講義、の予定だったんだけど、ビルギエッタ先生に呼ばれてるんだよ。
まどか：あれ？授業の差し替えですか。
マスター：うん。召喚学科は、実技優先の科目だからね。
マキ：マスターって、座学関係は無駄に成績がいいですから。
マスター：無駄にっていわないでよ。
ルテジア：ほらほら、無駄に話をここでしていていいの。さっと先生の所へ行ってきたら。
マスター：あ、そうだった。すぐに行かなきゃ。
卯月：ごーごー。
廊下は走るな、とつっこみを入れる程度の常識人は、この場にいなかった。
アスレイ：廊下を走るな落ちこぼれ！
マスター：ご、ごめんよアスレイ。
マスター：ご、ごめんよアスレイ。
非常識なぐらいのスーパー優等生なら、１人いたようだが。
アスレイ：妙な表現するなナレーター。てか、あんたも先生に呼ばれたの？
マスター：あんたも、って、アスレイも呼ばれたんだ。
マキ：なんだ、それなら、マスターの追試の代わりの授業じゃないんですね。
まどか：でしたら、なおさら、私たちが呼ばれる理由がわからないですね。
マスター：べつに、まどか達はビルギエッタ先生に呼ばれたわけじゃないよ。
晶：マスターが、早手回しに私たちの出番があると思っただけなんですね。
マスター：有り体に言えばそう。
結：でしたら、今から戻って、ルテジアさんのお相手でもしましょうか。
卯月：どうかなぁ。ルテジアさんだって、いつまでもボク達を待ってないよ。
マスター：ともかく、ここまで来たらみんな一緒に行こうよ。…失礼します。
アスレイ：失礼します。ビルギエッタ先生、少し遅くなりました。
ビルギエッタ先生（以下先生）：まだ、遅刻というほどではないですが、５分前ではありませんね。
マスター：すいません、ビルギエッタ先生。
先生：それはいいですが、今学校は準動員態勢にあります。もっと緊張感を持ちなさい。
アスレイ：はい、先生。
まどか：それで、今日は一体何の授業なんですか。
先生：…少年、あんた、なんで召喚獣をつれて校内歩いてるか。
マスター：なんで、と言われても…
卯月：ボクらが帰ってないだけだよね、マスター。
マキ：まあ、そういうことです。
晶：先生、召喚獣が校内を歩いてはいけない、って規則、始めて聞きました。
結：まあまあ姉さん、そんなけんか腰に言わなくても。
まどか：仮にもマスターの御師匠様です。
先生：仮にもか。
まどか：い、いえその、今のは…その…
先生：いい、あまり時間がない。手短に説明する。
こちらは、王国軍のヒルデガードさんだ。
ヒルデガード（以下ヒルダ）：こんにちは、初めまして、ではないはずですよね。
マスター：え、ええと…こんにちは。
アスレイ：こんにちはヒルダ副官。ですが、こっちの少年とは初対面のはずです。
ヒルダ：そうだったかしら、ごめんなさいね。
アスレイ：ヒルダさん、からかわないでください。あなたがそんな間違いをしないのはよく存じてます。
ヒルダ：ビルギエッタと話をしていると、ついつい会ったことがないのを忘れたわ。
マスター：あの、ヒルダ副官…って、あのヒルデガード副官ですか。
ヒルダ：あの、とはどういう意味かわかりませんが、私がヒルダです。
さすがに呼び捨てや、ゴリ、とかヒルダちゃんというのは困りますが
無理に肩書きをつけなくても、ヒルダさん、でいいですよ。
マキ：ヒルダさん、それで、今日はどういう用事なんでしょう。
ヒルダ：あなたは？
マキ：私は土の精霊が１人マキ。今はこちらのマスターと契約中です。
ヒルダ：ビルギエッタ、つまり、この子が、あなたが普段噂してる子なのね。
マスター：ビルギエッタ先生、マキがなにか特別なんですか。
先生：あんた、一体私の話をどれだけ聞いてるか。
マスター：す、すいません先生っ！
先生：私が噂してたのは、あんたのこと。
知的召喚獣５人、特殊触媒しか使えない召喚術師。
ヒルダ：ええ、ですが、戦力として考えると、今の王国軍には必要な人材です。
先生：ヒルダ、私の答えは変わりません。
まどか：あの、失礼ですがお二人とも、全く話がみえないんですけど。
ヒルダ：ビルギエッタ、この子達に説明してちょうだい。
先生：ええ、いいわ。そのために呼んだんですから。
アスレイ：どういったお話でしょう先生。
先生：…あなたたち二人…アスレイと少年を、臨時王国軍軍人として動員したいって話よ。
マスター：え？臨時王国軍軍人？…ビルギエッタ先生、何の間違いです。
アスレイはともかく、僕なんてただの足手まといですよ。
アスレイ：自己認識は出来てるみたいね。さすが私のライバルだわ。
先生：…すぐに動員、という話ではない。答えを出すのは今でなくていい。
ヒルダ：ビルギエッタ、私は出来るだけ早く返事が聞きたいわ。
先生：ええ、だけど、この子達はまだ未熟。戦場に連れ出すには早すぎる。
ヒルダ：卒業生でも、この子達に匹敵する子はそういるものじゃないわ。
アスレイ：卒業即実戦、なんですか。
ヒルダ：いいえ、新兵訓練は当然あるわ。だけど、あなたたちの手助けが欲しいのよ。
アスレイ：私は求められればいつでも。
先生：…アスレイについては、私も心配してない。準備は怠るな。
アスレイ：はい、先生。
マスター：僕のことは心配なんですね。
先生：大いに、心配だとも。
マスター：それは、やっぱり、僕が召喚術師として、未熟だからでしょうか。
先生：全くその通りだ。
マスター：とほほ…やっぱりか。先生、追試が受けられないからって、そのまま落第にしないでしょうね？
先生：…何を心配するかと思えば。すこしは学園の規則を読め。
今は落第判定の進行も止まっている。
マスター：良かった…
ヒルダ：ビルギィ。…いつ、私の話をこの子にしてくれるの。
先生：私が、こいつに、多少でも自信が持てるようになったら。
ヒルダ：それじゃ遅いわ。将軍は、すぐにでも欲しいって言ってるのよ。
マスター：あの、全然話が見えないんですが、結局僕は何をすればいいんでしょうか。
先生：そうね。…まあ、みんなそこ座りなさい。ヒルダ、私の授業を聞いていく？
ヒルダ：…遠慮しておくわ。ビルギィ、昔からスパルタだから。
先生：軍じゃ、あなたの方が上官だったのよ。
ヒルダ：戦場で一番頼りになるのは先任曹長と相場は決まってるわ。
士官なんて飾りよ。
先生：私も、士官の端くれだったわよ。
ヒルダ：士官候補生の、でしょう。
先生：そうね。アスレイ、ヒルデガード副官を送ってあげて。
アスレイ：はい、先生。
ヒルダ：私は、男の子の方がいいんですけれども。
先生：だめです。
ヒルダ：仕方ないか。アスレイさん、お願いね。
アスレイ：はい。
マスター：あんたも、って、アスレイも呼ばれたんだ。
マキ：なんだ、それなら、マスターの追試の代わりの授業じゃないんですね。
まどか：でしたら、なおさら、私たちが呼ばれる理由がわからないですね。
マスター：べつに、まどか達はビルギエッタ先生に呼ばれたわけじゃないよ。
晶：マスターが、早手回しに私たちの出番があると思っただけなんですね。
マスター：有り体に言えばそう。
結：でしたら、今から戻って、ルテジアさんのお相手でもしましょうか。
卯月：どうかなぁ。ルテジアさんだって、いつまでもボク達を待ってないよ。
マスター：ともかく、ここまで来たらみんな一緒に行こうよ。…失礼します。
アスレイ：失礼します。ビルギエッタ先生、少し遅くなりました。
ビルギエッタ先生（以下先生）：まだ、遅刻というほどではないですが、５分前ではありませんね。
マスター：すいません、ビルギエッタ先生。
先生：それはいいですが、今学校は準動員態勢にあります。もっと緊張感を持ちなさい。
アスレイ：はい、先生。
まどか：それで、今日は一体何の授業なんですか。
先生：…少年、あんた、なんで召喚獣をつれて校内歩いてるか。
マスター：なんで、と言われても…
卯月：ボクらが帰ってないだけだよね、マスター。
マキ：まあ、そういうことです。
晶：先生、召喚獣が校内を歩いてはいけない、って規則、始めて聞きました。
結：まあまあ姉さん、そんなけんか腰に言わなくても。
まどか：仮にもマスターの御師匠様です。
先生：仮にもか。
まどか：い、いえその、今のは…その…
先生：いい、あまり時間がない。手短に説明する。
こちらは、王国軍のヒルデガードさんだ。
ヒルデガード（以下ヒルダ）：こんにちは、初めまして、ではないはずですよね。
マスター：え、ええと…こんにちは。
アスレイ：こんにちはヒルダ副官。ですが、こっちの少年とは初対面のはずです。
ヒルダ：そうだったかしら、ごめんなさいね。
アスレイ：ヒルダさん、からかわないでください。あなたがそんな間違いをしないのはよく存じてます。
ヒルダ：ビルギエッタと話をしていると、ついつい会ったことがないのを忘れたわ。
マスター：あの、ヒルダ副官…って、あのヒルデガード副官ですか。
ヒルダ：あの、とはどういう意味かわかりませんが、私がヒルダです。
さすがに呼び捨てや、ゴリ、とかヒルダちゃんというのは困りますが
無理に肩書きをつけなくても、ヒルダさん、でいいですよ。
マキ：ヒルダさん、それで、今日はどういう用事なんでしょう。
ヒルダ：あなたは？
マキ：私は土の精霊が１人マキ。今はこちらのマスターと契約中です。
ヒルダ：ビルギエッタ、つまり、この子が、あなたが普段噂してる子なのね。
マスター：ビルギエッタ先生、マキがなにか特別なんですか。
先生：あんた、一体私の話をどれだけ聞いてるか。
マスター：す、すいません先生っ！
先生：私が噂してたのは、あんたのこと。
知的召喚獣５人、特殊触媒しか使えない召喚術師。
ヒルダ：ええ、ですが、戦力として考えると、今の王国軍には必要な人材です。
先生：ヒルダ、私の答えは変わりません。
まどか：あの、失礼ですがお二人とも、全く話がみえないんですけど。
ヒルダ：ビルギエッタ、この子達に説明してちょうだい。
先生：ええ、いいわ。そのために呼んだんですから。
アスレイ：どういったお話でしょう先生。
先生：…あなたたち二人…アスレイと少年を、臨時王国軍軍人として動員したいって話よ。
マスター：え？臨時王国軍軍人？…ビルギエッタ先生、何の間違いです。
アスレイはともかく、僕なんてただの足手まといですよ。
アスレイ：自己認識は出来てるみたいね。さすが私のライバルだわ。
先生：…すぐに動員、という話ではない。答えを出すのは今でなくていい。
ヒルダ：ビルギエッタ、私は出来るだけ早く返事が聞きたいわ。
先生：ええ、だけど、この子達はまだ未熟。戦場に連れ出すには早すぎる。
ヒルダ：卒業生でも、この子達に匹敵する子はそういるものじゃないわ。
アスレイ：卒業即実戦、なんですか。
ヒルダ：いいえ、新兵訓練は当然あるわ。だけど、あなたたちの手助けが欲しいのよ。
アスレイ：私は求められればいつでも。
先生：…アスレイについては、私も心配してない。準備は怠るな。
アスレイ：はい、先生。
マスター：僕のことは心配なんですね。
先生：大いに、心配だとも。
マスター：それは、やっぱり、僕が召喚術師として、未熟だからでしょうか。
先生：全くその通りだ。
マスター：とほほ…やっぱりか。先生、追試が受けられないからって、そのまま落第にしないでしょうね？
先生：…何を心配するかと思えば。すこしは学園の規則を読め。
今は落第判定の進行も止まっている。
マスター：良かった…
ヒルダ：ビルギィ。…いつ、私の話をこの子にしてくれるの。
先生：私が、こいつに、多少でも自信が持てるようになったら。
ヒルダ：それじゃ遅いわ。将軍は、すぐにでも欲しいって言ってるのよ。
マスター：あの、全然話が見えないんですが、結局僕は何をすればいいんでしょうか。
先生：そうね。…まあ、みんなそこ座りなさい。ヒルダ、私の授業を聞いていく？
ヒルダ：…遠慮しておくわ。ビルギィ、昔からスパルタだから。
先生：軍じゃ、あなたの方が上官だったのよ。
ヒルダ：戦場で一番頼りになるのは先任曹長と相場は決まってるわ。
士官なんて飾りよ。
先生：私も、士官の端くれだったわよ。
ヒルダ：士官候補生の、でしょう。
先生：そうね。アスレイ、ヒルデガード副官を送ってあげて。
アスレイ：はい、先生。
ヒルダ：私は、男の子の方がいいんですけれども。
先生：だめです。
ヒルダ：仕方ないか。アスレイさん、お願いね。
アスレイ：はい。
アスレイは、ヒルダさんを案内していった。
べつに、校内の事については、ヒルダさんだってよく知ってると思う。
それなのにどうしてビルギエッタ先生はヒルダさんを送っていくように言ったんだろう。
それに、一体、王国軍、対魔族戦争の副官が、僕にわざわざ用事なんて
一体何事なんだろう。僕の力？それとも、僕が契約してる５人の？それとも？
べつに、校内の事については、ヒルダさんだってよく知ってると思う。
それなのにどうしてビルギエッタ先生はヒルダさんを送っていくように言ったんだろう。
それに、一体、王国軍、対魔族戦争の副官が、僕にわざわざ用事なんて
一体何事なんだろう。僕の力？それとも、僕が契約してる５人の？それとも？
ヒルダ：こら少年。トリップ。さあ、５人もしっかり聞きなさい。
精霊魔法のありかたについては、各人がよく勉強するのよ。
全員：はいっ。
精霊魔法のありかたについては、各人がよく勉強するのよ。
全員：はいっ。
でも、今は目の前の講義に集中しなきゃ。
ヒルダさんの訪問の意味は考えていても始まらない。
僕がしなければならないことは、無事に単位を揃えて、卒業することだ。
ヒルダさんの訪問の意味は考えていても始まらない。
僕がしなければならないことは、無事に単位を揃えて、卒業することだ。