ここは藍仙高校。
自由な校風を持つ、ごく普通の高校である。

さて、藍仙高校も文化祭の時期を迎えた。
文化祭の準備に各々のクラスもクラブも忙しい。
が、それ以前の段階で忙しい部活動もあったのである・・・。

 

「さあさ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい」

声を出しているのは、弓道部と第二科学部を掛け持ちしている天瀬衛。
登校中の生徒相手に声を掛けて部員の勧誘中である。

「これ、普通の弓のように見えるがちょいと違う」
弓形オーギュメントStrick Sunを見せびらかす衛、だが・・・
「オーギュメントだろ、ここじゃ珍しくもないよ」
実にあっさりとしたコメントが帰ってくる。
「お、おまえら珍しくないのか？」
「べつに珍しくないよ、第二科学部の霰って子が押しつけて回ってるやつだろ。
　確かに持ってると便利そうだけど、トラブルはごめんだから」
ま〜言われてみればそうかもしれない。
「まあまあそういわずに話だけでも・・・」
き〜んこ〜んか〜んこ〜ん
ちょうど都合よく始業ベルである。
「じゃ、俺そろそろ行くから」
「あ、俺も授業〜」

どこまでも悪名高き第二科学部であった。

さて、時は流れて昼休憩。
中庭にチョークで四角形を書く女の子が一人。

「さあさあ、これで５分間逃げ切ったら商品としてなんと自家用ヘリコプターだよっ。
　そのかわり、逃げ切れなかったら第二科学部の部員だからね☆」
そういって勧誘しているのはＰ−７、つまり霰である。
一方その逃げ切ったらの内容を意味している人物が、第二科学部部室、
つまり物理教室の窓から顔を出している優美である。
要は優美が打ち出す弓から５分間逃げ切ればよいわけなのだ。が・・・

「あ〜なんでみんな目をそらして行くのよ」
たぶん当然だ。弓道部員の射る弓から５分間逃げ切るなんて芸当できるとは思えない。
そもそも第二科学部がらみの話においそれと乗る生徒がざらにいるとは思えない。

「ねえ、霰、自家用ヘリがわるいんじゃない？」
「う〜ん・・じゃ、自家用ジェット戦闘機にしようか？」
景品があまりに嘘っぽいのが、最大の原因だとは気づいてないようである。

と思えば、まともに準備している人もあるわけで・・・・

昨年文化祭を熱狂の渦に巻き込んだあの伝説のロックバンド、
汐音とファイブ・シスターズが帰ってくる！
無敵のダンサー朝比奈冬華とCoolなボーカル麻生霧人を中心とした仲間達で送る最高のビート！
君も来たれ体育館へ！

---

「なあ、夕凪先輩の名前出してええんか？」
「この来人くんの実力を見くびらないで欲しいんだよ。
　ちゃんと話は付けてあるんだよ。
　・・・・あ、そうそう、飛び入りで参加出来るように枠をくんでおいてくれない？
　もしかしたら、本当に帰ってくるかもしれないんだよ」

なにやらたくらんでいるらしい来人であった

 

とかなんとかやっているうちに、名簿提出の締め切りが来る。

「じゃ、これが第二科学部の名簿です」
「本当にちゃんと５人そろっているんだろうな、確認させてもらうぞ。

　なになに・・・蜂屋佳祐、江川来人、天瀬衛、柳瀬優美、朝比奈冬華、霰＝アインハルト・・・
　まて、天瀬と柳瀬は弓道部で朝比奈は剣道部だろうが」
「銀さんあわてるなよ。
　むこうの部の方は人手が足りてるからこっちで文化祭に参加してくれることになったんだぜ」
「ほぉ・・・でも、来人は新聞部で申請を出してるからな。」
「それでも５人は集まってるぜ。

　つまり、５人ということでこの書類は有効だな」
「ぐ・・・し、仕方がない、受理してやる」
「受理するのが当然だろ、銀さん」
「これで終わったと思うなよ」

まるで悪役のような台詞で受理した銀山日和副会長であった。

だが、しかしこれは始まりに過ぎない。
まだ現実に文化祭を開催するという大仕事が待っているのだから・・

 

---

 

ＧＭより一言：

予想以上に手間取りました。m(__)m

さて、シナリオ０２は引き続き登場します。もちろん文化祭本編として。
ではっ